
ノルウェーの首都オスロでファッション・ウイーク「オスロ・ランウエイ2026年春夏」が8月25〜27日に開催された。ローカル性を重んじ、ノルウェー出身のデザイナーらによる約26のブランドがショーやプレゼンテーションを披露。過去最大となる約40のバイヤーおよびメディアなどのインターナショナルゲストも参加し、国際的な注目度を増そうとしている。(この記事は「WWDJAPAN」2025年9月29日号からの抜粋です)
「目指すは、量ではなく質のある体験」
「オスロ・ランウエイ」は、今年で開催10周年を迎えた。エリン・カルーセン(Elin O. Carlsen)最高経営責任者は、「私たちが目指しているのは、世界最大級のファッション・ウイークではなく、ノルウェーのブランドに焦点を当て、量ではなく質のある体験を提供することだ」と語る。ノルウェーのクリエイティブ産業への投資は他の北欧都市に比べると後発だった。だからといって、クリエイション自体が遅れを取っているわけではない。むしろジェンダーや年齢を制限しない、北欧らしいミニマルなデザインと、ニットやウールを中心とするクラフトへの敬意、自然に囲まれた土地が育むサステナビリティの価値観など、土地固有のデザイン言語は、現在の市場の流れと呼応する。5年前にはファッション・ウイークの開催を年2回から1回に改めた。既存のファッションサイクルを追わず、自分たちのクリエイティビティーの芽を丁寧に育もうとする姿勢が、独自性にさらに磨きをかけている。特にコロナ禍以降、海外ブランドが主流だった地元のストアが、国内ブランドに目を向けるようになり、ブランドの経済的成長が加速した。国際市場に参入する基盤が整った。
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