PROFILE: 左から、モーテン・イサクセン / トムウッドCEO、モナ・イェンセン / トムウッド創設者兼クリエイティブ・ディレクター

「トムウッド(TOM WOOD)」は、ジェンダーレスなジュエリーブランドとして幅広い層から高い支持を得ている。同ブランドは2013年にノルウェー・オスロで誕生。15年に日本上陸し、自社ECとセレクトショップなど卸のネットワークを徐々に広げ、23年には青山に旗艦店をオープンした。上陸から10年、日本における売上高は約50倍に成長、全世界のビジネスの6割を占めるまでになった。夫妻で創業したジュエリー特化の独立系ブランドが、ここまで成長するケースは珍しい。「トムウッド」のクリエイティブ・デザイナー兼創業者であるモナ・イェンセンとモーテン・イサクセン最高経営責任者(CEO)に日本上陸から今までの歩みについて聞いた。
旗艦店出店がビジネス飛躍の鍵に
WWD:日本上陸のきっかけは?
モナ・イェンセン「トム ウッド」クリエイティブ・デザイナー兼創業者(以下、モナ):15年にパリのショールームで、日本人バイヤー数人と会ったのが始まり。彼らは既にブランドを知っていて関心を示してくれた。日本が「トムウッド」を選んでくれたと信じている。市場からの関心は非常に高く、私たちも日本の文化や価値観を理解したいと思い、時間とエネルギーを優先的に注いできた。それが、業界での深いネットワーク構築につながり、非常に幸運だった。
WWD:15年に日本上陸以来、年商の推移は?
モーテン・イサクセン=トム ウッドCEO(以下、モーテン):上陸当初からトレンドに左右されないブランドとしてオーガニックな成長を目指し、自社ECと卸販売を中心に販売していた。上陸当時はトゥモローランド(TOMORROWLAND)やスーパーエーマーケット(SUPER A MARKET)、エディション(EDITION)で販売。その直後にドーバー ストリート マーケット(DOVERS STREET MARKET)、エストネーション(ESTNATION)、ユナイテッドアローズ(UNITED ARROWS)や伊勢丹新宿本店、阪急うめだ本店といった百貨店などの取引先が増えた。想像以上にビジネスが伸長したが、それはレンガを一つ一つ積み上げるようなプロセスだった。23年に青山旗艦店を出店し、ドーバー ストリート マーケットにインショップがオープンして、売上高が飛躍的に伸びた。もっと早く旗艦店を出店予定だったが、コロナ禍で計画が遅れた。しかし、旗艦店オープンが決定的な変化になったのは確かだ。店舗へのトラフィックや収益の伸びは予想を遥かに上回るものだった。今年1月〜6月の旗艦店の売上高は前年同期比53%増。今年の日本の年商は約20億円を目指し、上陸10年で約50倍成長を見込んでいる。
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