PROFILE: 今泉和也/「カウラム ストア トーキョー」スタッフ

デイトナ・インターナショナルの「カウラム」は、“コラム”を語源に持ち洋服と共にファッションマガジンも制作するブランド。その旗艦店として2025年3月にオープンしたのが、東京・駿河台にある「カウラム ストア トーキョー」だ。立ち上げから店頭に立つ今泉和也さんは、アパレル業界での販売員歴約20年のベテラン。(この記事は「WWDJAPAN」2026年8月24日号からの抜粋です)
BEST POINT
顧客の好きな服に共感し
一緒に選ぶパートナーとなる
「アパレルの世界に入ったのは20代後半のとき。未経験だったので、就職するならアルバイトからやろうとこの世界に飛び込みました」。 量販店で店長職まで経験した後、伊勢丹新宿本店メンズ館のデニムブランドでの勤務を経て、デイトナに入社した。「量販店、百貨店のラグジュアリー、セレクトショップの『フリークス ストア』、そして今とジャンルの違うファッション業態で販売に携わってきました。それぞれ客層も価格帯も違いますが、本質的な部分は変わらない。大切なことは、販売員が洋服やブランドのコンセプトを正しく理解し、ブレずに伝えること。自分の中の知識の引き出しを少しずつ開けた状態で自然に顧客に接すると、真摯な接客につながります」。
自身の強みとして挙げるのが、誰に対しても同等に接することだ。「常連の方と初来店の方、人によって話す内容を変えたりムラがあるのは、個人的にかっこよくないと思っていて。相手の口数や会話のペースに合わせながら、伝えるべき本質をブレずに届けることを意識しています」。 ECでの買い物が手軽な時代だからこそ、実店舗でしか提供できない価値があると考えている。「店舗の大きな役割は共感だと思うんです。『いい服があるから買ってください』ではなく、『あなたが気になって見に来た服の良さ、僕も分かります』と伝える。1人で選ぶというより、2人で選ぶ感覚を持ってもらう。ドアを開けたら、自分が好きな服を同じように好きな人が必ずいる、という環境を作れるのが実店舗の魅力です」。
カウラム」は、シーズンテーマを設けず上質な生地の経年変化を楽しむ商品が多い。もともとデニム好きの今泉さんは、自らの装いも経年変化の見本として顧客に示す。「一着を長く着て、服の変化が一発で分かる着こなしを意識しています。今着ているセットアップも、週5日着用して20回以上洗ったもの。時間をかけないと表現できない変化を店頭で見せるのも、スタッフのファッションの役割だと思っています」。 売ることだけに執着せず、内装や店内を漂うお香に客がどう反応するかを気にかけつつ、洋服以外の会話も楽しむ。
「ブランドの価値が正しく伝えられないと、ただ物が売れて終わってしまう。遠回りかもしれないですが、お客さまの一挙手一投足に注目し、自分という人間を知ってもらい、一緒に服を選ぶパートナーとしてお互いの理解を深め合いたい。ブランドの魅力を正しく伝えた結果、売り上げがついてくるのがリアルショップの正解だと思っています」。