
販売員特集は「WWDJAPAN」で最も長く続き、かつ人気のある定番の特集だ。今回もファッションとビューティ分野のえりすぐりのトップ販売員20人の素顔、接客の流儀、販売員としての矜持を聞いた。そこに映るのは、ファッションとビューティ業界がこれから進む方向そのものだ。(この記事は「WWDJAPAN」2026年8月24日号からの抜粋です)
SNSが変えた販売員の”主戦場”
業界人であればアパレルの販売員、あるいはビューティアドバイザー(BA)が、一般に思われているよりもずっと奥深く、幅広いスキルを要する仕事であることを知っているはずだ。その日の客の服装やメイク、店頭での短いやりとりから客のキャラクターやワードローブを読み取り、その人に響く提案をする。メニューの決まった飲食店とは違い、その場限りのコミュニケーションで客のインサイトを探り当て、商品提案までこなすのが当たり前に求められる。ルーティン業務も、日替わりで変わる店頭のビジュアルプレゼンテーションから、入荷・在庫管理、整理整頓まで幅広い。自らブランドを体現する存在として、身だしなみも常に問われる。産業構造で見れば、ブランドと最終消費者の最も強力なタッチポイントでもある。インターネットとSNSの登場で発信力は格段に上がり、販売員に求められるスキルにSNS運用も加わった。だが、長らく給与や待遇の低さが課題であり続けてきた。新卒の就職活動において、接客業はかつての3Kの代名詞だった建設業を超える、最悪の求人倍率に落ち込んでいる。当然の帰結として、人手不足という現実に直面している。
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