「WWDJAPAN」には美容ジャーナリストの齋藤薫さんによる連載「ビューティ業界へのオピニオン」がある。長年ビューティ業界に携わり化粧品メーカーからも絶大な信頼を得る美容ジャーナリストの齋藤さんがビューティ業界をさらに盛り立てるべく、さまざまな視点からの思いや提案が込められた内容は必見だ。(この記事は2026年7月27日号からの抜粋です)
長く女性誌をベースに仕事をしてきた自分には、1つの大きなジレンマがあった。
「外見だけではダメ。内面が美しくなければ」「見た目ばかりを磨いても、内面を磨かなければ意味がない」そう、女性誌の世界には、大昔からこうした論旨の提案を決して欠かしてはいけないという不文律があった。つまり、美容ばかりに必死になっていても、本当の美しさは生まれませんという、精神論的な美容提案をどこかでずっと続けていなければという“義務感”が女性誌にはあったのだ。
ただ、こうした精神論はひとつの宿命として届きにくい。文字通り言葉だけが上すべりし、じゃあ内面を磨くってどういうこと?具体的に何をしたらいいの?という当然の疑問にぶち当たり、提案は常に曖昧になりがちだ。必然的に「外見を美しく」が優先される。精神論を誌面化しようとする女性誌はやっぱり売れず、気がつけば美容誌が市場を席巻、結果として「内面より外見」という力学がこの世界を支配するようになっていったのだ。
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