PROFILE: 立野公一/代表

日本のM&Aにおいてもプライベート・エクイティ・ファンド(PEファンド)が絡むようになったからこそ、事業会社にはそれぞれの特性を把握する必要がある。各PEファンドはいずれも事業会社のパートナーになることを目指しているが、そこに至るまでの思いから手法まではさまざまだ。そこで「WWDJAPAN」は、ファッション&ビューティ業界でも存在感を放つPEファンドにインタビュー。それぞれが手掛けた事業成長の具体例と共に紹介する。(この記事は「WWDJAPAN」2026年8月31日号からの抜粋です)
日本成長投資アライアンス
日本成長投資アライアンス(JGIA)は、今年で設立10年を迎える「新勢力」(立野公一代表)の日系PEファンドだ。「新興勢力なので、他社と同じことをやっても意味がない」との考えのもと、同社は「再現性」のある形での企業成長支援を意識。「再現性」の高さから、「これまで30件ほど投資してきたが、当初目指した成果を十分実現できなかった案件は1社だけ」と振り返る。
芸術と科学、情熱の掛け算で再現性ある支援
立野代表は、再現性の高さには5つの理由があるという。まずは①経営リソースの提供。特に日本たばこ産業(JT)や博報堂など複数の国内有力企業がアライアンスパートナーを務め、最近ではDXやAXなども含めて、出資先企業の経営を支援できる人材を派遣するという。ここに②KKRやTPGなどのPEファンド、マッキンゼーなどのコンサルティングファームなどの出身で「比較的若い」というJGIAの人材も参画。「一定の経験値がある中で、(若いからこそ)エネルギーやパッションのある人材」が企業成長に伴走する。その成長支援に関しては、③「芸術」と「科学」、そして「情熱」の掛け算が組織や事業の活性化につながると考えているのも特徴だ。このうち「情熱」は前述の通りJGIAのメンバーはもちろん、成長支援する出資先企業の従業員の情熱も重視。「科学」は多くのPEファンドも提供する経営科学で「品質管理からサプライチェーンのマネジメント、需要予測、営業活動の強化など各種オペレーション課題の解決に導く自前のコンサルチームを抱えている」が、何より重視しているのは「芸術」。「ブランドの根底にある哲学から空気感に至るまでをリスペクトし、丁寧に扱うことを心がけている」。ゆえに④評価制度やインセンティブなどの制度設計でも、築いてきた文化を重視し、さらに組織を活性化させることを心がけつつ、⑤上述のアライアンスパートナー企業からJGIAのファンドに出資する海外投資家までを含むグローバルなネットワークを活用し、出資先企業の海外展開も後押しする。海外を含む投資家にはアライアンスパートナーの役割を担ってもらうことを前提に投資を募ることも多く、「欧州ブランドのファミリーオフィスからアジアの財閥、北米の教育機関まで、広義のアライアンスパートナー」も多い。
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