PROFILE: 清塚徳/日本プライベート・エクイティ協会会長

ファッション業界やビューティ業界のニュースでも「プライベート・エクイティ(PE)」という言葉が飛び交うようになった。ここではPEの基本を理解するため、PEファンドで構成する一般社団法人・日本プライベート・エクイティ協会の清塚徳会長(サンライズキャピタル社長)に素朴な疑問をぶつけてみた。清塚氏は日本におけるPEの草創期から活躍してきた第一人者だ。(この記事は「WWDJAPAN」2026年8月31日号からの抜粋です)
PEの仕組みを知ろう
WWD:そもそもプライベート・エクイティ(PE)とは何か。
清塚徳=日本プライベート・エクイティ協会会長:あえて単純化して分かりやすく説明しよう。数人の人間が集まり、お金とアイデアを持ち寄り、どういう投資をしたいかを決めて、ファンドを設立する。それに基づいて銀行、保険、年金基金、富裕層などの投資家の皆さんに「こういう方針でファンドを運営するから投資をしませんか」と募集を行う。人もお金もアイデアも集まったら、次に投資先を発掘し、実際に投資する。経営改善にありとあらゆる手を尽くし、投資先の企業価値を上げる。最終的には上場、あるいはM&Aなどで売却する。うまくいけば投資したお金の何倍かの金額で売って、キャピタルゲインを得る。それを出資してくれた投資家に還元する。このサイクルをぐるぐる回しているのがPEだ。
WWD:投資対象になる企業は?
清塚:安定的に利益を出して、キャッシュフローを生み出す企業が主な対象になる。経営再建が必要な企業はあまり対象にならない。投資はマイノリティーではなくて、少なくとも51%、できれば100%近く。つまりその企業の株式の過半数を握る。
投資をするときは、PEのお金だけではなく銀行が融資してくれるレバレッジドバイアウトローン(LBOローン)と組み合わせる。4割ぐらいがPEファンドのお金、6割ぐらいがLBOローンだ。
投資後、PEは株の過半を保有するため、何が何でも必死に企業価値を上げなければいけない。人も送り込み、あらゆるサポートをして、収益を上げる。新規事業、海外進出などの布石を打つ。上場のための準備もする。企業価値を3〜5年の期間で上げてイグジットする。
WWD:PEはなぜ過半数を取るのか。
清塚:株主としての支配権を持ち、いろんなことを決議するためだ。そうした背景を持った上で、経営陣の皆さんと友好関係を築く。
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