PROFILE: 竹田欣克/三起商行(ミキハウス)社長

子供服「ミキハウス」を運営する三起商行は、1971年の創業以来、初めて経営トップが交代した。前編では社長に就任した竹田欣克氏(51)のこれまでの足跡と人柄に迫った。後編では社長という立場から見渡す市場の現状と、グローバル競争を制するための戦略を聞いた。目指すのは、子供服のハイエンド市場での世界トップブランドだという。
――社長就任で変わったことは?
竹田欣克社長(以下、竹田):グローバル事業だけを見ていた頃は正直、日本は「別枠」でしたが、社長になってからは地球儀を俯瞰する感覚に変わりました。日本も一つの市場として捉え直すようになり、日本市場の魅力と重要性を改めて認識しています。
――就任早々、米国から欧州へと飛び回っているそうですね。
竹田:米国法人の運営状況の確認、ロンドンの高級百貨店・ハロッズへのあいさつ、キプロスの店舗視察、パリではカタールの王族や日本国大使も参加するイベントがありました。国内の店舗にも足を運ぶようにしていて、スタッフと話す機会が増えました。国内市場は木村(皓一)会長が引き続きリードしてくれています。グローバル事業本部長を兼任していますが、実務は3人の部長に委ねています。
中国市場での認知度向上
――いま注力している経営課題は何ですか。
竹田:グローバルでの認知度をいかに上げていくかがです。中国はここ数年で認知がかなり広まり、空港や高級百貨店を歩いていると必ずミキハウスの服を着た子供を見かけます。次はブランドのイメージアップの段階です。
一方、東南アジアはまだ無名に近く、アメリカも2店舗のみでオンラインに依存している状況です。グローバルでは一等地への出店によるブランディングとソーシャルメディアの活用で、富裕層への認知を着実に積み上げていきます。一定の層に確実に刺さることを優先します。
――主戦場である中国市場での具体的な戦略は?
竹田:現在70店舗ありますが、全店が必要とは考えていません。中国は変化のスピードが速く、5年前に一等地だった立地が衰退しているケースもあります。現地の代理商と相談の上、スクラップ&ビルドを進めています。トレンドに合った一等地への出店を重視しています。
中国四大都市の一等地にあるショッピングモールに入ることが大前提。北京の「SKP」、上海の「IFCモール」、広州の「太古匯」には店舗がありますが、唯一なかったのが深圳でした。8月8日には深圳の大型商業施設「深圳湾万象城」に出店しました。上海に続き、中国本土で2店舗目となる直営旗艦店です。75平方メートルの広さにゴールドレーベルからダブルBまでフルラインアップで展開します。
――深圳の店舗を直営にした理由は?
竹田:中国四大都市のトップのモールに出店できるかどうかが、ブランド価値を示す上で絶対に必要だからです。ミキハウスの商品クオリティーと価格帯なら、欧州のハイエンドブランドが集まるフロアでないと釣り合いがとれない。
深圳出店にはもう一つ重要な意味があります。かつては香港が人気のショッピングエリアでしたが、今は香港の人が深圳に買い物に来ます。深圳の方が接客レベルは高く、館内は洗練されていてレストランも充実しています。
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