組織をつくる上で、最重要な戦略こそが採用だ。どれほど優秀な人材を採っても、価値観やビジョンを共有できず、企業文化にフィットしなければ、力を発揮する前に去られてしまう。逆に、組織の方向性に共感し、その会社らしさを理解した人材は、能力以上の力を発揮することがある。(この記事は「WWDJAPAN」2026年6月1日号からの抜粋です)
採用は企業文化そのもの
かつては「大企業に入れば一生安泰」という既成概念もあった。しかし、終身雇用が揺らぎ、働き方やキャリアの選択肢が広がった今、企業と個人の関係性は変化している。企業が人を選ぶ時代から、企業もまた選ばれる時代へ。だからこそ採用は、単なる人集めではなく、未来の組織を形づくる重要な経営戦略になっている。
今回は、そんな採用の中でも、新卒採用にフォーカスした。近年、新卒採用を取り巻く環境は大きく変わっている。その象徴の一つがAIだ。学生がエントリーシートの作成にAIを活用することは、もはや珍しいことではない。企業側もまた、AIを採用活動に取り込み始めている。
昨年ごろから急速に広がっているのがAI面接だ。アバターが自己PRや志望動機を聞き取り、客観的な評価やマッチング度を算出する。属人的になりがちな面接評価を標準化し、データとして蓄積・活用することで、その後の採用精度向上につなげていく。AI利用によって均質化が進むエントリーシートでの選考を代替しうる手段としても注目を集める。
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