ファッション
連載 エディターズレター:FROM OUR INDUSTRY

私も知らないオークションの世界【エディターズレター:FROM OUR INDUSTRY】

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※この記事は2023年08月28日に配信した、メールマガジン「エディターズレター(Editors' Letter)」のバックナンバーです。最新のレターを受け取るにはこちらから

皆さん、オークションって参加、もしくはご覧になったことがありますか?

先日、私は初めて拝見しました。上のリンクで紹介している、「オーデマ ピゲ(AUDEMARS PIGUET)」とマシュー・ウィリアムズによる「1017 アリックス 9SM」がコラボレーションして生み出した1点モノのユニークピースのオークションです。ちなみに文中にもありますが、落札価格は100万ドル(約1億4500万円)!!売上金は、恵まれない子供たちのための楽しく学べる教育プログラムに寄付します。

この日、会場にはアジア各国から約170人のゲストが招かれました。きっと、過半数はお客さま、もしくは、お客さまになる可能性が極めて高い人たちです。そしてオークションの開始時刻が近づくと、関係者が、きっと事前に共有されている買いそうな人に番号札(パドルというそうです)を渡します。無論、私のような買いそうにない人、買えそうにない人、実際買えない人(苦笑)には、パドルは手渡されません。この段階で、パドルを手渡された人は、いくばくかの優越感を覚えるのでしょうか?ただ、ライバルは会場の外にもいます。オークション会場は、ネットで世界中と繋がっているのです。一連のオークションを観察する限り、ドバイとシンガポールからの入札が多かったでしょうか?私の近くでパドルを受け取ったゲストは、「この前は、アラブの石油王みたいな方が登場して、あっという間に玉砕した」と笑い飛ばします。どうやら、珍しいことではないようです。

一番の見どころは、オークションの進行役、オークショニアです。きっとオークションごとにトーン&マナーがあるのでしょうが、30年にわたり「オーデマ ピゲ」を手がけたフランソワ-アンリ・ベナミアスCEOの人柄もあって、会場はフレンドリーなムードに包まれています。だからこそ、この日のオークショニアは、ちょっとしたエンターテイナー。特に会場では、頑張ってベットし続ける参加者に歩み寄り、「もう一声、どうだい?」みたいなテンションで話しかけます。私の中でのハイライトは、入札に挑む吉田勉ヨシダ社長の元に歩み寄り、「ねぇねぇ、ここの天井って、見たことある?」と語りかけたところ。それは「高みを目指そう」という意味なのか?「天井知らず」という意味なのか?“オークション・ジョーク”なのでしょうか(笑)?残念ながら吉田社長は競り負けましたが、「オーデマ ピゲ」ファンと共に楽しいひと時を過ごし、破顔していらっしゃいました。

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