ファッション
連載 エディターズレター:FROM OUR INDUSTRY 第227回

学生からの「AI時代、私たちは何を?」という不安について考えると、高くなる純度

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12月は私にとって、年始のCEO特集と、専門学校でのセミナーが重なるタイミングです。専門学校では長らく、トレンドセミナーを学生向けに噛み砕いてお話していました。大体10ブランドくらいのランウエイ動画を一緒に見ながら、デザイナーの思いや結果台頭したトレンドなどを話してきたイメージです。ただファッション業界では年々、学ぶべき内容が増えています。そこで今は、私が取材をする中で多くの人が気にしているトピックスを3つほど紹介し、踏まえて、まつわるブランドのランウエイ動画を見てもらう形に変えています。この冬は、「長すぎる夏&短すぎる春・秋問題」「メタバースと生成AI」そして「ファッションIP」について、それぞれ30分ずつくらい話しています。

生成AIでは、みなさんにも何度か紹介させていただきましたが、「ネイビーネイビー(NAVYNAVY)」というブランドを事例にAIエージェントという存在について話しています。リアルな人間は1人だけで、あとは全員AIエージェントというインパクトは強烈です。質疑応答の時間に学生から出てくる質問は、大体この「ネイビーネイビー」の事例を踏まえての率直な疑問。「AIエージェントが当たり前になったとき、(デザイナーを志している)自分は、何をしたらいいのか?」という質問です。

そんな疑問、いや不安は、大いに共感できるところです。私も「WWDJAPAN」のクリエイティブ・ディレクターというAIエージェントと相談を続ければ表紙ができてしまう現実を目の当たりにして、「人間は、一体何を?」と考えるようになりました。下の記事の通り、AIプラットフォーマーは、「洋服には『着る喜び』と『作る喜び』があるが、生成AIにより『作る喜び』はもっと簡単に手に入るようになる」と予測します。学生は「作る喜び」を感じながら洋服を届けることを目指している人たちですが、遠くない将来、AIはかなりの洋服をデザインしたり、そのパターンを提供したりできるようになるでしょう。そうなったとき、「自分たちは、何を!?」と考えるのは極めて当然です。

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