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LGBTQ+フレンドリーも自分ごと エディターズレター(2020年12月18日配信分)

※この記事は2020年12月18日に配信した、メールマガジン「エディターズレター(Editor's Letter)」のバックナンバーです。最新のレターを受け取るにはこちらから

LGBTQ+フレンドリーも自分ごと

 以前お話しした「パンテーン」の「#PrideHair」キャンペーンは、LGBTQ+フレンドリーなサロンを増やすためのガイドライン作成というプロジェクトに発展しています。主たる販路はドラッグストアの「パンテーン」が、直接的な取引先ではないヘアサロンに対してこんなに頑張るって、なんてスゴいんでしょう!そして全国のヘアサロンがLGBTQ+フレンドリーになったら、素敵!そう思い、ガイドライン作成に活かすべく当事者や既にフレンドリーなサロンの意見に耳を傾けるワークショップ取材に赴きました。

 ワークショップで皆さんの話を聞くと、「話しかけないでオーラを出していた」や、「存在を覚えられないよう、シャンプー担当とカット担当が異なるくらいの大手を転々としていた」などの話が出てきます。理由は、例えば「週末は何するんですか?誰と行くんですか?」や「結婚は?お子さんは?」などの「悪意のない質問」に苦痛を覚える時があったから。相手に悪意がないこと、むしろ好意や善意しかないことはわかっているので露骨に不快感を表すことは難しく、オープンな人でもとっさには答えづらく、結局「コミュニケーションしない」という選択肢をチョイスしてしまう。その結果が、「話しかけないでオーラ」や「大手サロンを転々」だったと言います。

 なるほど。同じ立場の人間としてLGBTQ+の皆さんの気持ちはよく分かり、一方で取材を通しサロンのホスピタリティーも熟知しています。カットだけでも小一時間、カラーもお願いしたら2、3時間は当たり前というヘアサロンは、スタイリストとのコミュニケーションが楽しめるハズの空間で(無論、雑誌やタブレットに没入するもアリです)、参加者の経験談は、大きな糧にしたいもの。一体、どうしたらいいんでしょうね?

 そんなコトを考えていたら、LGBTQ+フレンドリーなサロンのスタイリストが、「私たちは、お客さまに心から喜んで欲しい。一番嬉しいのは、2回目の来店をしてくれること」と話し、そのためだったら「パンテーン」が作成し広げようとしているガイドラインから一生懸命学ぶだろうと予想します。

 なるほど。「2回目の来店のために」は、サロンスタイリストがLGBTQ+フレンドリーになることに対する「自分ごと化」の目的になり得そう。自分にとってのメリットにもなるなら、LGBTQ+フレンドリーになることに対しても前向きになれそうですね。

 このお手紙では再三再四お話していますが、サステナブルも、インクルージョン&ダイバーシティーも、「自分ごと化」できると「前のめり」感がだいぶ変わります。サステナブルは、地球のためじゃなくて、自分の心地よい暮らしのため。ダイバーシティ&インクルージョンは、マイノリティーのためじゃなくて、自分を含む皆の能力を最大限に生かして生きるための考え方。私は、そんな風に捉え続けたいと思います。

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