ファッション

レンチングがデニム染色のサステナブルな技術を開発 水・化学薬品・電力を大幅カット

 オーストリアのセルロース繊維最大手レンチング・グループ(LENZING GROUP)は、「テンセル」ブランドのモダール繊維とインディゴ技術の融合「テンセルモダール インディゴカラーテクノロジー」を開発した。ワンステップの原液着色プロセスにより、インディゴ色素を繊維に直接染着することで、大幅に少ない資源量で、通常のインディゴ着色より優れた染色安定性を達成する。

 この技術の導入により、水とエネルギーを大量に使用する従来のインディゴ染色と比較すると、インディゴ染色で使用する水、化学薬品、電力を大幅に節約できる。また、排水の量も少なくなり、熱エネルギーも使用しない。

 また、通常のインディゴ染色と比較して、クロッキングや摩擦に対しての乾湿堅牢度が優れているため、家庭用洗濯での色落ちを防ぎながら、工業用洗濯の技術下ではデニム製品特有のウォッシュダウン効果を実現できる。またこの技術は、幅広い用途に対応し、多様な種類の繊維との複合繊維としても使用できる。

 この製品は、EUエコラベル1認定(ライフサイクル全体にわたり高い環境基準に適合する製品に付与される)を取得。オーストリアで生産され、サステナブルに管理された木材資源のブナ材を主原料としており、米国農務省(USDA)からBioPreferred®の認定も受けている。

 レンチングは、「インディゴカラーテクノロジー」繊維の発売に向けて、デニム工場のカンディアーニ(CANDIANI)やコーン デニム(CONE DENIM)といった大手サプライチェーンパートナーと提携した。

 フロリアン・ヒュブランドナー(Florian Heubrandner)グローバルテキスタイル事業担当バイスプレジデントは「イノベーションは私たちの事業活動の中心的存在だ。サステナブルな繊維の使用から業界をリードする機能や生産プロセスまで、環境保護という目標を常に掲げている。従来の製造プロセスから脱却し、先進的な技術と再生可能な環境配慮型の原料を採用した『テンセルモダール インディゴカラーテクノロジー』は、デニム業界におけるインディゴの用途とサステイナビリティの新たなベンチマークとなる」とコメントを発表した。

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

原宿・新時代 ファッション&カルチャーをつなぐ人たち【WWDJAPAN BEAUTY付録:中価格帯コスメ攻略法】

「WWDJAPAN」4月22日号の特集は「原宿・新時代」です。ファッションの街・原宿が転換期を迎えています。訪日客が急回復し、裏通りまで人であふれるようになりました。新しい店舗も次々にオープンし、4月17日には神宮前交差点に大型商業施設「ハラカド」が開業しました。目まぐるしく更新され、世界への発信力を高める原宿。この街の担い手たちは、時代の変化をどう読み取り、何をしようとしているのか。この特集では…

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

@icloud.com/@me.com/@mac.com 以外のアドレスでご登録ください。 ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。

メルマガ会員の登録が完了しました。