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レンチングがCO2排出量実質ゼロの繊維を供給開始

 オーストリアのセルロース繊維最大手レンチング・グループは(LENZING GROUP)は、同社の主力繊維ブランドである「テンセル(TENCEL)」から、CO2排出量を実質ゼロにした “テンセリヨセル”と“テンセルモダール”の供給を開始する。カーボンニュートラル(CO2排出量実質ゼロ)の世界基準を提供するNGO団体のカーボンニュートラル(The CarbonNeutral)の基準に準じた厳しいガイドラインに従って生産される。このガイドラインでは繊維の生産、製造、および流通に関連する排出ガスが計算されて、オフセット(相殺)されたことを裏付ける。またゼロカーボンのテンセル繊維は再生可能エネルギーを利用して製造され、供給元についても監視と関与をしていて透明性を確保する。

 レンチング・グループは、2030年までに特定の炭素排出量を50%削減し、50年には実質セロカーボンを実現すると2019年末に発表。同社はこの目標に向けてSBT(Science Based Targets)イニシアチブ(気候科学に基づく削減目標)と取り組む最初のセルロース繊維製造業者だ。同社は繊維産業界の賛同を促してそのかじ取りを行い、サプライチェーンの透明化、カーボンフットプリントの少ない原料の調達、そしてそれによる全体の炭素排出量の削減を標準化することを目指す。

 「テンセル」ブランドはこの目標のために“リデュース(削減)” “エンゲージ(関与)”“オフセット(相殺)”をキーワードに、製品のカーボンフットプリントの積極的な削減に向けて産業パートナーの賛同を促し、削減できない排出量についてはそのオフセットを進める。

 同社は、サプライチェーン全体で製造方法を効率化し、炭素排出量を継続的に削減していくことに加え、再生可能エネルギーの利用と新技術の採用。カーボンニュートラルと気候関連金融商品(カーボンファイナンス)に関する専門機関であるナチュラル・キャピタル・パートナーズ(Natural Capital Partners)とも協力して、カーボンニュートラル認証を得ることを目指している。ナチュラル・キャピタル・パートナーズは企業側に製品のCO2素排出量に対して第三者機関による評価を求めるなど、検証可能かつ恒久的な排出削減を実現する最も優れたカーボンファイナンスプロジェクトと言われている。

 フロリアン・ハウブランドナー(Florian Hofbrandner)グローバル・ビジネス・マネジメント・テキスタイル担当バイスプレジデントは「会社として、ブランドとして、環境負荷の削減に取り組んでいるが、完全に排出量をなくすことはできない。そのため、私たちは世界規模で行動することを考え、世界各地のCO2排出量削減を支援するという可能性にたどり着いた。オフセットすることで炭素排出量の埋め合わせをするという考えは、信頼性の高さが保証されたカーボンファイナンスプロジェクトを通して炭素排出量削減に貢献することを促進する。こうした気候危機の最中にある今、すべての企業はその影響の及ぶ範囲において、温暖化に対して行動を起こさなければならない」とコメントを発表した。

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