ビジネス

「ジーンズ1本の綿花栽培で飲み水10年分失う」 国連がファッション業界に警告

 国際連合(以下、国連)は、「ファッションと持続可能な開発目標:国連の役割とは」と題した国際会議を3月1日にスイス・ジュネーブで開催した。経済委員会の執行官であるオルガ・アルゲェロワ(Olga Algayerova)は「ファッション業界が軌道修正する必要があることは明らか。全産業で2番目に多く水を消費しており、世界の排水量の20%を占める業界だ。ファストファッションによって生じた多くの緊急事態に対応するためには、サステイナブルな消費の促進が不可欠だ」と、ファッション業界が環境に対する緊急事態に陥っていると強調した。

 国連欧州経済委員会(UNECE)のアナリスト、ブリジット・リア・オルトマン(Birgit Lia Altmann)は、「1kg、つまりジーンズを1本分の綿を生産するには1万リットル以上の水が必要となる。つまりこれは、1人分の飲み水10年分を消費することを意味する。綿花栽培は全世界で使用される殺虫剤の4分の1、農薬の11%を占める。85%の繊維は最終的に焼却されるか埋立てられる。ポリエステルやナイロンなどプラスチック製の布地を洗うと、50万メトリックトンのプラスチックのマイクロファイバーがそのまま海に流される」と、ファッション業界が環境に与える悪影響をさらに具体的に指摘した。

 さらにオルトマンは、ファストファッション産業に関して「2000年と比較し、消費者の衣服を買う量は増加し、シーズンも年52週にまで細分化された。しかし、洋服は長くは着用されず、平均40%の服は1度も着られない」とコメントした。

 国連環境庁のプログラム・マネジメント・オフィサーのマイケル・スタンリー・ジョーンズ(Michael Stanley Jones)は、ファッション業界は「サステイナブルということに関しては完全に遅れている。どうしたらよりサステイナブルになれるのかの解決策が求められている。消費者が今求めているのは、ファッションを楽しみながらも、気持ちよく環境に貢献できることだ」と語った。

最新号紹介

WWD JAPAN

デジタルコマース特集2020 コロナで変わったもの/残すべきもの

「WWDジャパン」10月26日号は、デジタルコマース特集です。コロナ禍でデジタルシフトが加速し、多くの企業やブランドがさまざまなデジタル施策に注力していますが、帰るべきものと残すべきものの選別など、課題が多いのが現状です。今年はそんな各社の課題解決の糸口を探りました。巻頭では、デジタルストアをオープンしたことで話題の「シロ(SHIRO)」の福永敬弘=専務取締役やメディアECの先駆け的存在「北欧、暮…

詳細/購入はこちら