ファッション
連載 小島健輔リポート

ワコールと資生堂、女性美の名門企業は何故つまずいたのか【小島健輔リポート】

有料会員限定記事

ファッション業界のご意見番であるコンサルタントの小島健輔氏が、日々のニュースの裏側を解説する。下着のワコールホールディングス(HD)、化粧品の資生堂という女性の美を追求してきた大手企業が苦境に直面している。両者は事業領域も異なり、低迷に陥った理由も異なるが、その失敗から学ぶべき教訓はあるはずだ。

ワコールホールディングス(HD)は2023年3月期、24年3月期と最終赤字に転落。延べ千人を超える希望退職など相次ぐリストラや固定資産売却益で補って25年3月期は当期黒字に装飾しても、26年3月期予想も事業損益は赤字を脱せない苦境が続く。資生堂も24年12月期に最終赤字に転落。3次に渡るリストラで2057人を整理するも25年12月期も288億円の営業赤字、407億円の最終赤字と苦境が深まっている。ランジェリーとコスメと分野は違えども、揺るぎなきブランドイメージで業界に君臨して来た女性美の名門企業は何故つまずいたのだろうか。

業績悪化に歯止めがかからないワコール

ワコールHDの25年3月期連結業績は売上収益が1738億9600万円と前期から7.1%、ピークだった16年3月期からは14.3%減少し、「営業利益」は23年3月期の34億9000万円の損失、24年3月期の95億300万円の損失からは脱却したものの33億2800万円と、近年のピークだった16年3月期の138億6500万円の4分の1(24.0%)に落ち込んだ。

この「営業利益」は固定資産売却益など営業外収支で補われたもので、営業損益の実態を現す「事業利益」は前期の35億1000万円の黒字から33億9700万円の赤字に転落。固定資産売却益などの営業外収支で67億2500万円、金融収支と投資利益で72億4500万円を補って当期利益を67億8800万円に装飾し、23年3月期(−16億100万円)、24年3月期(−87億4300万円)と2期続いた最終赤字からは脱却したものの、実態営業損益の悪化には歯止めがかかっていない。

国内ワコール事業の売上高も878億2800万円と前期から6.8%、16年3月期の1205億7000万円からは27.2%減少し、損益実態を現す事業利益は47億7700万円の損失に落ち込んだが、固定資産売却益などで補って「営業利益」は29億7000万円を計上している。

この続きを読むには…
残り5203⽂字, 画像8枚
この記事は、有料会員限定記事です。
紙版を定期購読中の方も閲覧することができます。
定期購読についてはこちらからご確認ください。

関連タグの最新記事

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

「セレクト」から「キュレート」に進化するセレクトショップ特集2026 定期購読者には半年に一回のビジネスリポート【WWDBEAUTY付録:2025年下半期ベストコスメ発表】

2月23日発売の「WWDJAPAN」は、全国各地のセレクトショップ特集2026です。今年も、北は盛岡、南は福岡や高松まで、全国15のセレクトショップを取材しました。特集では、店舗の役割が「セレクト:膨大な中から質の高いものを厳選する」から「キュレート:特定のテーマに沿って収集・編集し、新たな価値を加えて提案する」に変わりつつあるのではないか?と考え、それぞれの世界観やテーマ、収集・編集の方法なども…

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。 This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

メルマガ会員の登録が完了しました。