サステナビリティ

「ボス」、リサイクル繊維×生分解性で挑むポリエステル代替 マイクロプラ残存リスクを低減

ボス(BOSS)」はこのほど、ポリエステルの代替素材として期待できるリサイクル繊維「ノバポリヤーン(NovaPoly™ yarn)」を用いた製品を発売した。この新素材は、製品が回収・リサイクルされずに廃棄・流出した場合のマイクロプラスチックの残存リスクを低減することを目的に、ヒューゴ ボス(HUGO BOSS)が中国のケミカルリサイクル技術開発企業のJiaren Chemical Recycling 社とドバイを拠点にプラスチックの分解性を高める高度な酵素添加技術を提供するNBC LLC社との協業で開発した。原料にプレコンシューマーおよびポストコンシューマーのポリエステル繊維を用い、製品寿命を迎えた際に生分解を加速させるように設計されている。生分解性に関しては酸素のない埋立地のような嫌気性環境(ASTM D5511に基づく試験)と、海洋や下水汚泥を含む好気性環境(ASTM D6691およびASTM D5210に基づく試験)の双方で検証。繊維に酵素添加剤を配合することにより、環境条件に応じて微生物が素材を分解し、CO2、メタン、水、バイオマスに変換するという。

また、「ノバポリヤーン」は高いパフォーマンス性能もある。1月に開催された全豪オープンで、「ボス」アンバサダーであるテイラー・フリッツ(Taylor Fritz)とマッテオ・ベレッティーニ(Matteo Berrettini)が同素材を用いたジャージー、ショーツ、キャップなどを着用してコートに登場した。

ケミカルリサイクルを経てつくられるため、バージン糸と同等の性能を実現。マテリアルリサイクルを経たポリエステルで見られる品質低下や繊維の抜け落ちの増加といった問題を回避できる。また、ケミカルリサイクルは染料が完全に除去されるため、デザイナーは色に関して高い自由度を得ることができ、従来のリサイクル素材に見られる色の制限や品質のばらつきも回避できる。加えて「ノバポリヤーン」はバージンポリエステル製造で用いられる触媒アンチモンを使用せずに製造できるという。これはJiaren Chemical Recycling社の独自プロセスによって実現したという。その結果、エコテックスⓇスタンダード(100‘OEKO-TEX Standard 100)をはじめとする厳しい安全基準を満たしている。

ヒューゴ ボスは「将来志向のポリエステルについてのコンセプトは、当社で長年にわたり検討してきた。『ノバポリヤーン』は2024年後半から新たなパートナーJiaren Chemical Recycling社とNBC LLC社とともに開発を進めた。開発プロセス自体は比較的スムーズで、研究開発の多くは素材が当社基準を満たすことを確認するための厳格な試験および検証に費やした。このイノベーションは制限なく業界全体に提供することを目指している。またNovaPoly™を使用した製品開発を行う企業向けに、推奨される混率に関するガイドラインも共有する予定だ」(広報担当者)という。

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