
ミラノでは今季、対極にある二つの美が台頭した。1つは市場の流れに呼応する、流動的な素材や構築的なテーラードで魅せる造形のミニマル。一方で、自由なレイヤードや柄の重ねを謳歌するマキシマルを貫くブランドもある。自分たちの言葉で美を語ろうとする多様性がミラノらしい。(この記事は「WWDJAPAN」2025年10月13日号からの抜粋です)
SCULPTURAL MINIMALISM
造形的ミニマリズム
「トッズ(TOD'S)」
DESIGNER/マッテオ・タンブリーニ(Matteo Tamburini)
アイコン“ゴンミーニ”のテクニックをウエアにも
4シーズン目を迎えたマッテオ・タンブリーニは、引き続きロング&リーンかつミニマルなスタイルを貫いた。そこに今季らしさを加えたのは、アイコンシューズの“ゴンミーニ”を思わせるディテールだ。ハンドステッチやパーフォレーションを、シューズやバッグはもちろん、滑らかなレザーのドレスやジャケットにも象徴的に施して、アイデンティティーを際立たせた。ナイロンのアノラックの後ろ身頃にもレザーを配したり、シャツにも細いレザーを縫い付けてストライプを表現したりとハンドワークを余すことなく盛り込んだ。足元は、パーフォレーションで飾ったオープントゥの“ゴンミーニ”や、マルチカラーのスレッティング(細いレザーによるかがり飾り)を施したローファーが登場した。
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