
ミラノのバッグ&シューズブランドが面白い。クラフツマンシップに強みを持つ点は共通している。だからこそ問われるのは、いかに唯一無二のクリエイションで引きつけるか。中でも下記の4ブランドは、それぞれの方法でDNAのアップデートに挑戦している。(この記事は「WWDJAPAN」2025年10月13日号からの抜粋です)
「セルジオ ロッシ(SERGIO ROSSI)」
DESIGNER/ポール・アンドリュー(Paul Andrew)
素材と構築美で表現を拡張
ポール・アンドリューは、創業者の「革新性」に共鳴し、自身の感性で進化を描く。カーボンファイバー製の“シニュアス”は、ウッド素材を組み合わせて近未来的な質感に温もりを添えた。ザハ・ハディド(Zaha Hadid)の建築に着想を得たサンダルは、ウエッジソールをくり抜いた彫刻的デザインで、背面から見るとピンヒールのように映る視覚的遊びも。カーフスキン×麻ロープや、ローファーとパンプスの融合など、斬新なアイデアで靴の表現を拡張した。
「セラピアン(SERAPIAN)」
DESIGNER/デザインチーム
アートとの共創で宿る情緒
イギリス人アーティスト、ベサン・ローラ・ウッド(Bethan Laura Wood)とコラボレーションし、その唯一無二の色彩感覚を“モザイコ”に落とし込んだ。日本の山岳風景を着想源に、日の出や日没のグラデーションを革の色を1本ずつ変えたり、色の境目が見えないよう緻密に計算して塗り分けたりといった職人技で、冷たい空気や夕暮れの哀愁までを再現。共通のカラーパレットを使い、“モザイコ”を一部に取り入れた新型やベサンのアートをオマージュした新デザインも登場した。
「ジミー チュウ(JIMMY CHOO)」
DESIGNER/サンドラ・チョイ(Sandra Choi)
甘さで磨く新グラマラス
来年の設立30周年の節目を前に、サンドラ・チョイはブランドが追求してきたグラマーの根底にある「女性らしさ」を再解釈。パステルカラーのレースを多用し軽やかさやはかなさを表現した。サテンのバレエシューズにクリスタルコードを添え、コサージュ付きスリングバッグはメタルトゥで強さを演出。繊細さと華やかさを併せ持つ新たなグラマーを提示。20万円以下のバッグなどエントリー層に向けた商材も拡充した。
「ジャンヴィト ロッシ(GIANVITO ROSSI)」
DESIGNER/ジャンヴィト・ロッシ(Gianvito Rossi )
エレガンスを日常へ拡張
コレクションは「深海」「シティ」「砂漠」の三つのシーンで構成。「深海」では深海魚のようなメタリック素材やイソギンチャクをモチーフにした立体感のあるスパンコール装飾など、華やかなでアイコニックなパンプスが登場。「シティ」は、都会的でシャープなシルエットのブーツ群。「砂漠」のテーマでは、クラシックなローファーや、ローテクスニーカーのような見た目のバレエシューズなど、カジュアル提案の幅を広げた。
and more...
「コチネッレ(COCCINELLE)」

日本の海人が着想源。貝の形を模したバッグやパールのような光沢のあるレザー、波の揺らぎを思わせるオーガンジー、漁網のような編み込みなどを用いて海の情景を表現した。
「フランツィ(FRANZI)」

新作の“カルラバケットバッグ”は、イタリア人バレリーナ、カルラ・フラッチ(Carla Fracci)へのオマージュ。日本市場を意識し超軽量かつファスナー付きのフラップポケットで実用性も兼ね備えるエントリー商材。
「ヴァレクストラ(VALEXTRA)」

アイコンバッグ“イジデ“の進化版“エディター”は、編集者にインスパイアされた、大容量のお仕事バッグ。スエードを型押しした“ミレプンテ”のチョコレートカラーや柔らかいカーフレザーのボルドーなどが登場。
「エムシーエム(MCM)」

テコンドーに着想。道着の帯をイメージした持ち手の“テコンドーバッグ”がハイライト。ブラック&ホワイトの配色やエンボス加工のロゴといった落ち着いたデザインで、武術の精神性を体現。
「サントーニ(SANTONI)」

アーティストのロレンツォ・ヴィットゥーリ(Lorenzo Vitturi)とコラボ。波間の光をイメージした虹色のスパンコールや柔らかなセタスエード、手染めの革、編み込み技法でアドリア海の色彩をロマンチックに反映した。
「ホーガン(HOGAN)」

都会の夏の自由奔放なミラノの若者たちをイメージした。10色以上のカラー展開のスニーカーやローファー、サンダル、ボートシューズなどアーバンライフを快適に過ごすアイテムがそろう。