
ミラノ・ファッション・ウイークの期間中、市の中心部にある観光名所ドゥオモ至近の百貨店リナシェンテのショーウインドーは、ジョルジオ・アルマーニ(Giorgio Armani)氏によるアーカイブやさまざまなポートレートなどで彩られた。ブランド50周年を祝したウインドーはくしくも、9月4日に死去したミラノのレジェンドに哀悼の意を表するかのようだった。(この記事は「WWDJAPAN」2025年10月13日号からの抜粋です)
旅の終わりを軽やかに描いた
「エンポリオ アルマーニ」
今シーズンのミラノ・ファッション・ウイークは、ジョルジオ・アルマーニ氏が手掛けた最後のコレクションの発表の舞台となった。同氏は今年体調を崩し、6月のメンズショーは欠席したものの、この50周年を祝うウィメンズショーに向けては、ビデオ通話などを駆使して細かに準備を進めていたという。
「エンポリオ アルマーニ(EMPORIO ARMANI)」のコレクションテーマは、「回帰」。旅を終えて故郷に帰る瞬間の、まだ異国情緒の余韻が残るノスタルジックでもありながらもすがすがしいあの感覚を創造の原点に据えた。ボトムスは、柔らかな落ち感のあるハネムーンパンツやワイドパンツ。そこに控えめな光沢感のあるアンコンジャケットの合わせはアルマーニ氏らしいエフォートレスなエレガンスを完成させる。足元はフラットシューズで統一。シルキーな素材で作るドローストリングをあしらったセットアップなどのスポーティーなアイテムや、斜めがけしたミニバッグを差し込み、旅のアクティブなムードを心地よく忍ばせた。クロシェ編みのベストやキャップ、フリンジ状のロープベルト、アルマーニ氏が好んだイカット柄のシフォンドレスや楊柳パンツ、着物の帯のようなリボンが異国情緒を重ねた。終盤は、繊細なビジュー刺しゅうが幻想的なドレスがフィナーレを飾った。最後に登場したのは、ウィメンズ部門をリードしてきたアルマーニ氏の姪、シルヴァーナ・アルマーニ(Silvana Armani)。天を仰ぐ仕草とともに観客にあいさつを送った。
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