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ジョー・マローンが声明 エスティ ローダーが商標権侵害などで提訴

調香師であり、「ジョー マローン(現ジョー マローン ロンドン)」の創業者であるジョー・マローン(Jo Malone)氏は、エスティ ローダー カンパニーズ(ESTEE LAUDER COMPANIES以下、ELC)が英国の裁判所において商標権侵害、不正競争(パッシングオフ)および契約違反で自身を提訴したことを受け、公の声明を発表した。

同社は3月初旬、マローン氏のほか、同氏のフレグランス企業ジョー ラブズ(JO LOVES)、ジョー ラブズ ホールセール(JO LOVES WHOLESALE)、「ザラ(ZARA)」を運営するインディテックス(INDITEX)の英国子会社ITX UK(旧ザラU.K.)に対する法的手続きを開始したことを明らかにしていた。

「驚きと悲しみ」インスタグラムで心境明かす

マローン氏は9日(現地時間)にインスタグラムに投稿した動画で、自身を「一人の人間であり、調香師であり、起業家であり、がんサバイバー」と紹介。「自分の名前が記された高等法院からの訴状を受け取るとは思ってもみなかった。今この瞬間もとても驚いており、非常に悲しい」と語った。さらに「今回の訴えは私個人だけでなく、『ザラ(ZARA)』にも向けられている」と続けた。

争点は「ザラ」との香水コレクション

同氏は1999年に自身の名を冠したフレグランス事業をELCに売却し、2006年に同社を離れた。その後、5年間の競業避止義務が満了した11年に自身のフレグランスブランド「ジョー ラブズ」を設立。さらに8年後、「ザラ」の親会社であるインディテックスと協業し、“ザラ エモーションズ コレクション バイ ジョー ラブズ(Zara Emotions Collection by Jo Loves)”と題した8種の香りのコレクションを発表した。同コレクションは欧州、オーストラリア、ニュージーランド、メキシコで販売し、20年には米国市場にも展開した。

その後開発した新作フレグランスのパッケージには、「ジョー ラブズ創業者であるジョー・マローンCBEによるコレクション」と記載されている。CBEは、英国王室勲章である大英帝国勲章3等勲爵士(Commander of the Most Excellent Order of the British Empire)を指し、マローン氏は18年にチャールズ3世(当時は皇太子)から授与された。一部のボトルには「ジョー ラブズ創業者、Ms.ジョー・マローンCBEによるコレクション」とも表記されている。

「できる限りの努力をしてきた」ブランド混同を否定

インスタグラムでの声明でマローン氏は、インディテックスとの協業の経緯を説明。「これは非常に重要な点だが、私たちはこの製品が『ジョー マローン ロンドン(JO MALONE LONDON)』とは一切関係がないことを理解されるよう、できる限りの努力をしてきた」と述べ、「これはあくまで“Ms.ジョー・マローンCBE”、すなわち『ジョー ラブズ』のクリエイティブ・ディレクターとしてのジョー・マローンによるものだ」と強調した。さらに「スタッフ教育を含め、可能な限りのことは全て行ってきた。これ以上何ができたのか」と語った。

「私は自分自身を売っていない」今後への葛藤も吐露

マローン氏は今後について不安も示した。「私は何者であればいいのか。人であることをやめることはできない。自分という存在を否定することはできない」と述べた。また、今回ELCがこのタイミングで法的措置を取った理由について「まったく理解できない」とし、「もし問題があるのなら初日から問題だったはずだが、これまで何も起きなかった」と主張した。さらに「これからどこへ向かうのか。もし私であってはならないのなら、私は今後どんな存在でいればいいのか」と問いかけた。

「私は会社を売却したのであって、自分自身を売ったわけではない。自分の中にあるものや未来まで売ったわけではないし、そんなことは決してしない」とし、「これらのコレクションは、あくまで一人の人間としての私が創り出したものであり、それ以上でもそれ以下でもない」と述べた。米「WWD」に寄せた追加声明でマローン氏は、「本件が敬意を持って解決され、全ての関係者がそれぞれ大切にしている仕事に集中できることを心から願っている。同時に、高等法院での訴訟には断固として対応していく」とコメントした。

エスティ ローダー側「契約違反ならブランド守る」

提訴時、ELCの広報担当者は、「過去25年にわたり、当社は『ジョー マローン ロンドン』の構築に多大な投資を行ってきた。現在では世界的に認知された象徴的ブランドとなり、強固なブランド価値と独自のアイデンティティーを確立している」と述べた。さらに、「マローン氏は1999年にブランドを売却した際、フレグランスのマーケティングを含む特定の商業活動において『ジョー・マローン』の名称使用を控えることなど、明確な契約条件に合意している。この契約に基づき対価も支払われており、長年にわたりその条件は遵守されてきた」と説明。

「しかし近年の商業活動における『ジョー・マローン』の名称使用は、その法的合意の範囲を逸脱し、『ジョー マローン ロンドン』のブランド価値を損なうものだ。当社はマローン氏が新たな機会を追求する権利を尊重するが、法的拘束力を持つ契約は軽視されるべきではない。契約違反があれば、長年かけて築いてきたブランドを守る」としている。

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