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「シーイン」、米カリフォルニア州における不当な配達遅延 1億円の民事制裁金で合意

シーイン(SHEIN)」は、米カリフォルニア州における消費者保護訴訟において、70万ドル(約1億360万円)の和解金を支払うことで合意した。「シーイン」がオンライン注文の商品配送が遅延したにもかかわらず、適切な通知や返金対応を怠ったことがカリフォルニア州法に抵触するとして、カリフォルニア州ナパ郡、ロサンゼルス郡、サンフランシスコ郡、ソノマ郡の各地方検事局が合同で提起した。

カリフォルニア州法では、原則としてオンライン注文商品は注文から30日以内に発送しなければならないとされている。30日以内に発送できない場合、企業は遅延期間を通知し、返金の機会を提供するなど、追加措置を取ることが義務付けられている。訴状によれば、「シーイン」はこれらの法定期間内に商品を発送できないケースが繰り返し発生していたにもかかわらず、必要な遅延通知や返金オプションの提供を怠っていたとされている。

裁判所は、「シーイン」に対して70万ドル(約1億360万円)の民事制裁金および調査費用の支払いを命じた。さらに、今回の判決によって「シーイン」は今後、商品の配送や出荷所要時間について虚偽または誤解を招く表示を行うこと、配送遅延に関する法律違反を繰り返すことを禁じられた。検察当局によれば、「シーイン」は捜査期間中、当局の調査に対して「協力的な姿勢を示していた」という。「シーイン」の広報担当者は、「いかなる法的責任も認めるわけではない」と前置きした上で、「当社は出荷およびカスタマーサービスの実務・コミュニケーションが法令に準拠することを確保するため、内部プロセスを改善し、配送スケジュールに関する情報を顧客に対してより明確かつ完全に提供するよう取り組んでいる」と説明し、「優れた顧客体験の提供は当社の最優先事項であり続けている。透明性、顧客満足度の向上、業務改善に向け、カリフォルニア州および世界中の顧客により良いサービスを提供するために継続的に取り組んでいく」と述べた。

物流データコンサルティング企業のシップマトリックス(SHIPMATRIX)によると、「シーイン」は年間約100万個の荷物を米国市場に出荷しているとされ、世界では1日あたり7億人以上のユーザーにリーチしているという。

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