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中国で大炎上の「ドルチェ&ガッバーナ」 騒動後最初のランウエイは無難に閉幕

 「ドルチェ&ガッバーナ(DOLCE&GABBANA)は1月12日、中国での大炎上後初となる2019-20年秋冬メンズ・コレクションのランウエイショーをミラノで開催した。

 ショー会場の周辺は、予想より落ち着いていた。デザイナーのステファノ・ガッバーナ(Stefano Gabbana)が「インスタグラムのアカウントを乗っ取られたから」とする中国人への差別的発言に抗議する人々の姿はなく、いつも通りパパラッチも数多い。最新コレクションに身を包んだファンもいる。しかし、最近世界からさまざまなインフルエンサーを呼び集めモデルとして起用してきた「ドルチェ&ガッバーナ」のショー会場には、いつもなら彼らのファンが大挙して押し寄せるが、今回の群衆は少ない。モデルはプロばかりでインフルエンサーの起用はなかった。

 中に入ると、舞台にはサルトリアのスーツを作るお針子たちの姿があった。ここで思い出すのは、ジョン・ガリアーノ(John Galliano)がやはり差別的な発言をしたとされ「ディオール(DIOR)」を追放された直後に開かれた2011-12年秋冬プレタポルテのフィナーレ。ガリアーノ無き「ディオール」はフィナーレでお針子を登壇させ、これまでもこれからも一針一針地道に努力を重ねていく姿勢を示したが、「ドルチェ&ガッバーナ」にもそんなムードが漂っている。

 中国人プレスの席を見てみると、フロントローを含め数席が空いている。いつもより人数も少ない。ショーに出なかった中国人プレスは、「なんとコメントしたらいいかわからない。もともと別の仕事があったが、仮に時間があっても行かなかったと思う」と話した。

 ショーは、無難な原点回帰だった。「ドルチェ&ガッバーナ」の持ち味とも言える、シャープで豪華なテーラリングと、ボリュームと迫力いっぱいのカジュアルにフォーカス。最近ハマっていたストリートのムードは、影を潜めた。全員140ルックのうち、アジア人モデルは11人。139ルックのうち17ルックが東洋人だった前回に比べると、その数は少ない。しかし後半、3人続けてアジア人モデルが登場すると、会場からは拍手が起こった。フィナーレの2人は、いつも通り。最後まで大きな混乱はなかった。

 インスタグラムを見る限り、サルトリアの美しさと迫力を存分に示すことができたせいか、現段階では批判的なコメントは少ないように見える。ビジネスは、炎上直後は日本でも返品のリクエストがあったり、売り上げが急落したりしたが、少しずつ落ち着いているとの話もある。ミラノでも、ブティックにはアジア人の姿があり、物々しく物騒な雰囲気はない。ただ大手EC企業ユークス ネッタポルテ グループ(YOOX NET-A-PORTER GROUP)などは、今も「ドルチェ&ガッバーナ」の取り扱いを控えている。