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アパレル生産の自動化が追い風、島精機が3年後に売上高1000億円の中計発表

 ニット機大手の島精機製作所は2021年3月期に売上高1000億円、営業利益250億円、経常利益250億円、純利益180億円を目標にする中期経営計画を発表した。同社は横編みニット機の世界トップ企業で、中計の柱は縫製の要らない革新的なニット機「ホールガーメント(WHOLEGARMENT)」の拡大になる。島三博・社長は「経済成長の続く中国や東南アジアでは、生産性の高さに加え、高度で複雑な編み柄を生産できる当社の編み機の需要が爆発的に高まっている」と語った。これまで繊維機械は景気に左右されやすく、数年に1度需要が激減するなど波があったが、「当社の製品を使うアパレルとシューズの生産はグローバル規模でオートメーション化が本格的に進み始めており、当社はその恩恵を受けている」と分析する。

 同社の2018年3月期の業績は、売上高が前期比15.1%増の718億円、営業利益が同32.4%増の149億円、経常利益が同54.1%増の155億円、純利益が同56.7%増の112億円で、売上高と純利益は2008年3月期以来になる過去最高を更新した。横編みニット機の販売数量は同9.5%増の1万5845台で、その内「ホールガーメント」機は1081台になり、初めて1000台を突破した。

 「ホールガーメント」機の最大の市場は中国で、ほとんどの売り先が自社で工場からブランド、店舗までを持つSPA(製造小売り)企業だという。「他の編み機の大口取引先とは異なり、『ホールガーメント』機のユーザー企業は中国国内で作り、中国国内で販売する、新しいタイプのアパレル企業だ」という。

 今年6月には和歌山市に隣接する海南市に敷地を購入し、新たな部品工場の建設に着工する。また、本社工場の周辺でも新たな敷地獲得に動いており、3年内に横編み機の生産を、現在の日産80台から100台に引き上げる。また、「ホールガーメント」に関しては、糸のセットやウエアの生産後の後工程などの自動化ロボットの開発も進め、生産工程全体の自動化にも取り組む。「前後工程のロボットについては3年内に開発するメドは立っている」という。

 また、革新的なウエア開発にも着手する。今年からマサチューセッツ工科大学(MIT)のメディアラボのコンソーシアムに参画。MITメディアラボと組み、ニット技術を核にした次世代のウエア開発に取り組む。