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ナイキが3Dプリントのシューズアッパーを開発 リオ五輪金メダルのキプチョゲが4月に着用へ

 ナイキ(NIKE)は新たに、シューズのアッパーを3Dプリンターによって製造する “フライプリント(FLYPRINT)”を発表した。同製法で製造したシューズ“ズーム ヴェイパーフライ エリート フライプリント(ZOOM VAPORFLY ELITE FLYPRINT)”は、4月22日に開催されるロンドンマラソンで、リオ五輪の金メダリストのエリウド・キプチョゲ(Eliud Kipchoge)が着用する予定だ。3Dプリンターはアディダス(ADIDAS)が米ベンチャー企業のカーボン(CARBON)社と組み、限定モデルのソールに使用しているが、アッパー素材への本格的な使用は世界でも初めて。ナイキはアッパーに横編みニットを使用した “フライニット(FLYKNIT)”でシューズの歴史を塗り替えたが、今度は3Dプリンターでシューズの世界に新たな歴史の1ページを加えそうだ。

 ナイキによると、3Dプリンターを使用する最大のメリットは設計時間の大幅な短縮だ。一本の糸の配置が全体の構造に影響するニットや織物と異なり、3Dプリンターのテキスタイルは繊維一本一本の配置変更が簡単にできるため、修正とテストを短時間で繰り返し行うことができる。“フライニット”で使用される横編みニットも従来のシューズ生産で使われていた織物やレザーに比べ、生地の設計や裁断、接着の手間を大幅に削減できたものの、3Dプリンターはそれ以上にデザインから設計、生産スピードを向上させることができるようだ。

 実際にキプチョゲがロンドンマラソンで着用するシューズも、キプチョゲに提供した最初のサンプルの修正をわずか数時間で行い、わずか9日後にはケニアにいるキプチョゲに届けた(しかもそのほとんどは輸送時間だった)という。今後は他の選手やユーザー一人一人のために“マスカスタマイズ”することも可能といえる。

 また、糸の使用本数が少なくなるため、軽く通気性にも優れている。新しいアッパーは、昨年9月のベルリンマラソンでキプチョゲが着用したアッパー素材に比べさらに11gの軽量化に成功している。

 ロンドンマラソンの開催地のロンドンでは、開催日の4月22日にナイキアプリを通じて同シューズを限定販売する。価格は600ドル(約6万4200円)と見られるが、日本では未発売。