ビューティ

「ロクシタン」50周年に向けてリブランディング 渋谷店を皮切りに全世界で

ロクシタン(L'OCCITANE)」は、2026年のブランド誕生50周年に向けてリブランディングする。商品を順次刷新するほか、渋谷店「ロクシタン・シブヤ・トーキョー(L'OCCITANE SHIBUYA TOKYO)」を4月27日にリニューアルするのを皮切りに全世界の店舗で改装を進める。ブランド発祥の地である南仏プロヴァンスの“アール・ド・ヴィーヴル(暮らしの芸術)”を表現する。

商品を販売する1階のテーマは“育む”。内壁は地層が着想源で、植物が育つ土壌や環境を再生しながら生態系を育む「ロクシタン」の取り組みを表現する。エントランスはポップアップスペースとし、3カ月ごとに変更し季節に合わせた商品を提案する。陳列する商品は従来から約半数に絞り、ミニマルかつシンプルで上質な空間をつくる。今後は随時行う商品パッケージのリニューアルを通して、これまでのポップなイメージからの転換を図る。

世界で20年に始まったリフィルファウンテンを日本で初めて導入。他店舗でも順次導入予定だ。また、19年2月から実施する空き容器の回収コーナーを引き続き設置。日本では累計69トンの空き容器を回収した。また、渋谷の象徴であるハチ公のイラストを入れた“渋谷 シアハンドクリーム”(30mL、1760円)と、富士山やダルマなどの縁起物をあしらった“JAPAN シアハンドクリーム” (30mL、1760円)を同店限定で販売する。

2、3階の「カフェ・ロクシタン・シブヤ・トーキョー(CAFE L'OCCITANE SHIBUYA TOKYO)」ではリニューアルに際し、南仏の郷土料理“白いんげん豆とソーセージ・豚肉のカスレ”(1780円)と“ロクシタン モンブラン”(1180円)を新メニューとして追加。2階は“創る”をコンセプトに、クラフトマンシップを感じられるアトリエを表現。3階は“解く(とく)”と題し、植物の研究を紐解く研究所から着想を得た。アーティストとコラボレーションしたフォトブースを用意し、3カ月ごとに入れ替える。第1弾はフラワーアーティストの宇田陽子と協業し、花々を立体造形で表現した。

店舗の外壁とカフェの内装に使用したラベンダーの造花は80%が再生原料。内装の建材にプラスチックをほとんど使わず、空調も再生エネルギーを採用した。環境に配慮した店舗や商品づくりについて木島潤子ロクシタンジャポン社長は、「押し付けがましくない形で、サステナビリティを意識してもらうきっかけにしてほしい」と話す。

渋谷は、ブランドの価値観を世界へ発信できる場所

木島社長は、「日本は『ロクシタン』にとって重要な市場だ。渋谷は国内外からの注目が集まる場所。ブランドの世界観を発信するのに適しているため、リニューアル1店舗目に選ばれた」と話す。「ロクシタン」は1976年の創設当時から、“自然と人への敬愛”を大切にしてきた。渋谷店は2006年にグローバル1000店舗目としてオープンし、リニューアルは3回目。今回の刷新について、「日本上陸26年目となり、ブランド本来の価値観を、改めて現代の解釈で届けることが求められていると思った。渋谷店は、『ロクシタン』のメッセージを世界に向けて発信し、常に顧客に感動や驚きを与え、ブランドの価値観や世界観を体感してもらえる空間にする」と続ける。

コロナ禍を経て、消費者の購買に対する価値観は変化。「本当に必要なものだけを買う“ミニマル思考”になったと感じている」。その中で「多くの上顧客の客単価が下がった。リブランディングを通して、顧客との関係性をより深めていくことを目指す。一方で、日本市場の売り上げは堅調に推移する。刷新を機に、さらに成長の勢いを上げていきたい」と語った。

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