ファッション

ドリームワークスが「ユニバーサルオーバーオール」の全世界商標権取得 100年のレガシーを引き継ぎ世界へ販路拡大

OEMや海外ブランドのライセンス事業を手掛けるドリームワークス(DREAMWORKS)が、米シカゴ発の老舗ワークウエアブランド「ユニバーサルオーバーオール(UNIVERSAL OVERALL)」の全世界商標権を創業家から譲り受けた。同社は2016年にグローバル販売権を取得。企画から生産、販売まで行っており、19年には渋谷に直営店をオープン。国内200カ所とアジアに卸を展開している実績が評価された。

「ユニバーサルオーバーオール」にとって今年は創業100周年のアニバーサリーイヤーでもある。3月19日、東京・恵比寿で関係者に向けて記念パーティーを開催し、創業家出身のサラ・エッカーリング・グリーンバーグ(Sara Eckerling Greenberg)社長兼最高経営責任者(CEO)と夫のジェイソン・グリーンバーグ(Jason Greenberg)営業部長兼最高執行責任者(COO)が来日。ここではブランドの過去のアーカイブを振り返るとともに、サラ社長兼CEOとジェイソン営業部長兼COOにインタビュー。100周年を迎えた今の気持ちと同社への期待を聞いた。

東南アジア・ヨーロッパを中心に
海外販売を強化

ドリームワークスのもと、「ユニバーサルオーバーオール」が次の100年に向けて強化するのは、海外販売だ。すでに同社が手掛けている香港・台湾・中国・韓国に加えて、東南アジアやヨーロッパを中心に新規卸先の開拓とブランド単独店出店を計画。2025年には海外売上高10億円(小売価格)を目指す。一方の日本国内においては、今後はカジュアルウエア・雑貨以外の分野を拡大し、作業服市場にも参入しながら、現状の国内売上高約30億円規模から50億円規模への成長を中長期目標に掲げる。

ファッション市場に浸透させた
ドリームワークスの功績を評価

本国のサラ社長兼CEOは「我々はユニフォームの品質にこだわり、100年にわたってブランドを確立してきた。アメリカの厳しい環境下を働くワーカー達を支えてきたクオリティーが最たる魅力だ」とふまえたうえで「節目の瞬間をドリームワークスと共有できることがとても幸せだ。これを実現できたのも、両者の友好的な関係性があってのことだ」と続けた。

日本ではセレクトショップの別注品が人気で、質実剛健なワークウエアとしてだけでなくファッションとして受け入れられていることについて「非常に素晴らしいことだ。時代の流れとともに多様性が広がり、日本のマーケットはブランドの真価を非常によく見いだしてくれたと感じる」とジェイソン営業部長兼COO。「ドリームワークスは日本のマーケットを理解している。6色あったタグの中からアイコニックなオレンジのタグに着目したのも、ワークウエアをカジュアルウエアに応用したのも、マーケットへの深い理解があってのものだ。特に気に入っているアイテムは、クレイジーパターンのカバーオール。ワークをファッションに昇華させた代表例であり、革新的なアイデアだ」と評価した。

「世界規模のワークウエアブランドに
してもらいたい」

ドリームワークスにブランドを譲渡した理由については「これまで築き上げてきた信頼と、優秀なチームであるという期待によるところが大きい。100年という長い歴史があり、思い入れのあるブランドだが、ドリームワークスであればこれからの100年も『ユニバーサルオーバーオール』とともに歩んでくれると信じている」とサラ社長兼CEOは説明。

今後については「日本国内にとどまらず、どんどん広めていってほしい。ブランドの非常に長い歴史のなかで今まで成しえなかった、世界規模のワークウエアブランドになることを期待している。100年の歴史を積み上げることが容易でないことは我々が一番理解しているが、ドリームワークスならできると確信している」とジェイソン営業部長兼COOも期待を寄せた。

同ブランドの営業活動とブランド事業を推進する奥山哲朗取締役副社長は「2024年2月に香港に事務所を設け、海外販売責任者を置き、強化している。まだ卸先は少ないが、インドネシアやシンガポールでの販売も始めたところだ。また、25年1月には欧州で合同展の出展も考えている。24年度中には中国にディストリビューションセンターの開設を計画しており、ここを起点に世界中に商品供給できる体制を構築する」と語った。

ブランドを象徴する
貴重なアーカイブ

1924年、オーストリア出身のマックス&ジョー・エッカーリング兄弟がアメリカン・ドリームを探し求め、シカゴのルーズベルト通りに面した建物の3階にロフトを借りて炭坑夫たちに向けたワークウエアの製造を開始したのが「ユニバーサルオーバーオール」の始まりだ。

マックスがオーダー受注、販売、デリバリーを行い、ジョーがパターン作りから裁断、縫製までを担当。主にメンズのデニムやダンガリーを中心に展開し、ハードワークに耐えられるワークウエアの定番として労働者たちに受け入れられた。

代表アイテムは、彼らがワークウエアの中で特に重要視していたカバーオールジャケット。フロントには4つのパネルポケットを採用し、ワークウエアならではのトリプルステッチを取り入れるなど実用性とタフさを追求したデザインが特徴。羽織ることを前提に作られたゆとりのあるパターンは、現代にも変わらず受け継がれている。ブランドの成長にともない、胸当てのオーバーオールやショップコートエプロン、ショップコートなどアイテムラインアップを広げていった。

TEXT : CHIKAKO ICHINOI
問い合わせ先
ドリームワークス
03-6447-2470