ビューティ

ロクシタンが豪スキンケア「グロウン アルケミスト」の過半数株式をトップを離れた直後の前CEOへ売却

ロクシタン グループ(L'OCCITANE GROUP、以下ロクシタン)はこのほど、オーストラリアのスキンケアブランド「グロウン アルケミスト(GROWN ALCHEMIST)」の過半数株式を売却した。今回の売却先は、4月1日にロクシタンのCEO兼副会長を退き、現在も取締役会のメンバーを務めるアンドレ・J・ホフマン(Andre J. Hoffmann)氏で、取引額は2800万ユーロ(約45億6400万円)。ロクシタンはホフマン前CEOがトップを務めていた2022年3月、同ブランドの過半数株式を投資銀行のランプリエール ウェルズ(Lempriere Wells)から取得。買収額は非公開だったが、業界筋は当時5000万オーストラリアドル(約50億356万円)を超えるとしていた。ロクシタングループは4月1日から、ローラン・マルトー=マネージング・ディレクターがCEOを兼任している。

オーストラリア・メルボルン発の「グロウン アルケミスト」は08年に創業。100%自然派スキンケアを展開し、セフォラ(SEPHORA)やクリーンビューティのセレクトショップのクレド(CREDO)など世界40カ国以上で販売する。ロンドン、パリ、スイス、スペイン、オーストラリアに化粧品と栄養研究施設を有し、オーストラリアのオーガニック認証ACO(Australian Certified Organic)とSCA(SAFE Cosmetics Australia)を取得している。

「グロウン アルケミスト」は4月2日の声明で、「北米や中国などの主要な海外市場での成長を加速させ、顧客体験の向上に取り組む。大規模なパートナーシップや、ライフスタイルや音楽、リテールの活動に注力していく」と述べ、本社をロンドンにすることを発表した。少数株主である「グロウン アルケミスト」のアナ・ティール(Anna Teal)CEOは「ロクシタンは22年以来、事業拡大における素晴らしいパートナーだった。とは言え、今後はより戦略的な柔軟性と自立性を獲得したい」とコメントした。

ロクシタンは現在、グループ傘下に「ロクシタン(L'OCCITANE)」、ブラジル発の「ロクシタン オー ブラジル(L'OCCITANE AU BRESIL)」、仏オーガニックブランド「メルヴィータ(MELVITA)」、韓国の美容ブランド「エルボリアン(ERBORIAN)」、米メイクアップブランド「ライムライフ バイ アルコーン(LIMELIFE BY ALCONE)」、伊フィレンツェ発のルームフレグランスメゾン「ドットール・ヴラニエス(DR. VRANJES)」などを抱える。23年、株式非公開化を検討していると報道がなされた。

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