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アダストリア24年2月期、過去最高達成 ヨーカドー含むBtoB事業で今期60億円へ

アダストリアは2024年2月期の連結業績で、売上高、営業利益共に過去最高を達成した。上期が好天やコロナ明けの好況ムードで伸長したことに加え、下期も暖冬の逆風の中で堅調を維持。基幹4ブランド「グローバルワーク(GLOBAL WORK)」「ニコアンド(NIKO AND...)」「ローリーズファーム(LOWRYS FARM)」「スタディオクリップ(STUDIO CLIP)」の好調に加え、雑貨主力の「ラコレ(LAKOLE)」が売上高前期比36%増と大きく伸び、貢献した。

最大ブランド「グローバルワーク」の売上高は同13.3%増の516億円と、500億円を初めて突破した。プロモーションを強化している“ウツクシルエットパンツ”を筆頭に、看板商品がいくつか育ってきたことで売り上げを押し上げた。各ブランドで、平均5%の値上げを行ったことも効いている。「1点1点の付加価値を高めることで、お客さまに値上げを受け入れていただいている。25年2月期も同程度の値上げを行う」(木村治社長)。成長株の「ラコレ」は、17年の立ち上げ後軌道修正を重ね、「2年前まで伸び悩んでいたが、前期から上向きとなり再出店していけるフェーズに入った」。

2月にイトーヨーカドーの衣料品平場に商品供給を開始し、売り場「ファウンドグッド(FOUND GOOD)」を始めたことも業界内で注目を集めている。「ファウンドグッド」は全64店予定のうちまだオープンしていない店舗も多いが、「照明や什器なども含めて当社が売り場全体をプロデュースしている一部のモデル店舗については、予算達成できている」。ヨーカドーとの取り組みを含め、今後強化を掲げているBtoB事業で「25年2月期に売上高60億円を目指し、早い段階で100億円に持っていく」。24年2月期のBtoB事業の実績は「『ファウンドグッド』の売り上げがほぼ計上されないため、30億円以下だった」。前期は平均6%の基本給アップを行い、今期も同程度のベアを目指すが、「中長期的なBtoB事業強化による生産効率向上やM&Aなどで、ベアを担保する」(金銅雅之常務)。なお、今春入社した新卒総合職社員の初任給は去年に続き1万円アップし、26万円とした。

24年2月期末の連結での店舗数はECも含めて1563店。25年2月期は1620店を目指す。OMO型ストアである「ドットエスティ ストア」で「都心以外にも積極出店」(木村社長)し、「ラコレ」は10店純増で87店を目指す。出店オファーが相次いでいるという「グローバルワーク」(24年2月期末はEC含まず国内で214店)は、増床による効率化を目指し、「新規出店は好立地を選別する」。

24年2月期の連結業績は、売上高が前期比13.6%増の2755億円、営業利益は同56.4%増の180億円だった。25年2月期は売上高が同5.2%増の2900億円、営業利益が同5.5%増の190億を見込む。26年2月期を最終年度とする中期経営計画の目標数値の1年前倒しでの達成が見えたことで、26年2月期目標を売上高3100億円(修正前は2800億円)に上方修正。ただし、原価高騰や円安を受けて、営業利益の目標数値は224億円に据え置いた。

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