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「グッチ」のマルコ・ビッザーリ前CEOが投資会社を設立 「エリザベッタ フランキ」の株式23%を取得

ケリング(KERING)が擁するグッチ(GUCCI)の社長兼最高経営責任者(CEO)を2023年9月23日付で退任したマルコ・ビッザーリ(Marco Bizzarri)が、2月に新たな投資会社ネッシファッション(NESSIFASHION)を設立したことが明らかとなった。同社はローマを拠点としており、「クリエイティブな起業家やビジネスリーダー、素晴らしいイタリアブランドに優先的に投資する」という。最初の投資先はイタリア・ボローニャに本社を構えるブランド「エリザベッタ フランキ(ELISABETTA FRANCHI)」で、株式の23%を取得する。

同氏は、「私が初めてCEOに就任したのは、37歳の時だった。以来、25年にわたってさまざまな規模やカルチャーの企業を率いて、グッチで9年間を過ごしたので、異なる挑戦をしたくなった。しかし、ファッションには関わっていたいと感じ、今度はより俯瞰的な位置から携わることにした」と語った。

「エリザベッタ フランキ」は、1995年に創業者のエリザベッタ・フランキがアトリエを開いたことに端を発し、98年に現在の親会社であるベティーブルー(BETTY BLUE)を設立。2012年にブランド名を「エリザベッタ フランキ」に変更し、15年春夏シーズンのミラノ・ファッション・ウイークでデビューコレクションを発表した。20年には、イタリア証券取引所の新興企業向けの市場であるAIM市場への新規上場を目指すも、コロナ禍の影響で断念。24年2月には、ステラ マッカートニー(STELLA MCCARTNEY)で社長兼CEOを務めていたガブリエル・マッジオ(Gabriele Maggio)をCEOに迎えた。ベティーブルーの23年の売上高はおよそ1億7000万ユーロ(約277億円)で、「エリザベッタ フランキ」は78カ国に進出。欧州を中心におよそ100の直営店とアウトレット、卸先を有している。

ビッザーリは、05年にステラ マッカートニー (当時はケリングの傘下。18年に独立)の社長兼CEOとしてケリングに入社。09年にはやはり同社が擁するボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)の社長兼CEOに就任し、12年にはケリングの取締役会のメンバーに。14年にグッチの社長兼CEOに就任し、15年に同ブランドのアソシエイト・クリエイティブ・ディレクターだったアレッサンドロ・ミケーレ(Alessandro Michele)をクリエイティブ・ディレクターに任命。22年11月にミケーレが退任した際には、ビッザーリ社長兼CEO(当時)も退任するのではとの臆測が流れたが続投し、23年1月にミケーレの後任として「ヴァレンティノ(VALENTINO)」でファッション・ディレクターを務めていたサバト・デ・サルノ(Sabato De Sarno)を新クリエイティブ・ディレクターに任命。そのデビューコレクションを見届けた後、23年9月23日付で退任。その後の動向が注目されていた。

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