三越伊勢丹、高島屋、大丸松坂屋百貨店、阪急阪神百貨店の大手百貨店4社は8月3日、2026年7月度の売上高速報を発表した。インバウンド売上高が各社2〜3割増と大きく伸ばし、業績を押し上げた。背景にあるのは歴史的な円安だ。7月下旬にはドル円が一時1ドル=163円台まで下落し、約39年8カ月ぶりの円安水準を記録。訪日外国人が高額品を買う際の割安感が強まり、ラグジュアリーブランドや宝飾・時計への需要を押し上げた。
三越伊勢丹の国内百貨店計は前年同月比7.0%増。海外顧客売上高が同32.1%増と大幅に伸長し、高い客単価を維持しながら買上客数も前年を上回った。都心3店では伊勢丹新宿本店が同15.5%増(免税同47.2%増)、三越日本橋本店が同7.9%増(同53.1%増)、三越銀座店が同11.3%増(同9.1%増)と、日本橋と新宿で免税がおよそ5割の伸びを示した。全店の国内顧客売上高は同3.6%増と伸び幅が縮小したものの、識別顧客売上高は三越伊勢丹計で同9.6%増と堅調に推移した。伊勢丹新宿本店と三越日本橋本店の洋菓子エリアのリモデル、三越銀座店の「スヌーピー in 銀座 2026」などの集客施策も若年層を含む新規顧客の来店増につながった。商品カテゴリー別では美術・宝飾・貴金属が同29.1%増と突出した。
阪急阪神百貨店は前年同月比12.8%増と、4社中最高の伸び率を維持した。4月以降2ケタ増収が続いている。国内顧客は同約1割増、免税売上高は同約3割増。中国からのツーリストの売上高が同約3割減と厳しい状況が続く一方、中国を含む海外VIPの売上高は同約8割増と大きくけん引した。阪急本店は店舗全体で同約2割増となり、7月として過去最高の売上高を更新。5、6階「インターナショナルブティックス」は同約5割増、100万円以上の高額品売上高も同約5割増と伸びた。
高島屋は前年同月比8.3%増(既存店計同9.6%増)。免税売上高は同26.2%増で、購入件数が同7.6%増、単価が同17.4%増といずれも伸長した。免税を除く店頭売上高は同6.1%増。国内顧客はラグジュアリーブランドをはじめとする高額品のほか、夏物衣料の正価品や食料品が堅調に推移した。
大丸松坂屋百貨店は前年同月比微減。大丸梅田店が改装に伴う売場縮小で同38.4%減となった影響が大きく出たが、同店を除けば同3.8%増。免税売上高は同22.4%増(大丸梅田店除く同31.2%増)とやはり好調で、客数が同10.3%減となったものの、ラグジュアリーブランドの好調により客単価が同36.5%増と大幅に上昇した。前年の万博会場売上の反動減もあり、国内売上高は同3.1%減となった。