ファッション

「オニツカタイガー」が「これまで」の75年の集大成で 「これから」の100周年を描く

オニツカタイガー,ONITSUKA TIGER

「オニツカタイガー(ONITSUKA TIGER)」の2024-25年秋冬コレクションは、「これまで」の集大成でありながら「これから」を感じさせる、今までとは異なるものだった。2013年にクリエイティブ・ディレクターとしてアンドレア・ポンピリオ(Andrea Pompilio)との協業を開始してから、イタリア人デザイナーが興味深いと思う日本のカルチャーにインスピレーションを得て、両国共通のモノ作りへのこだわりを発揮してきた。そのプロセスは、今回も変わらない。ミラノならではのクラフツマンシップを駆使して、東京で得たインスピレーションを形にしたり、東京らしいスタイルを描いたりという「これまで」通りのアプローチである一方、分かりやすいスポーツウエアは影を潜め、大きくエレガンスにかじを切ってジャケットやコートを打ち出したのは、これまでにはない「オニツカタイガー」だろう。100周年を迎える時の「オニツカタイガー」を「スポーツウエアには見えないけれど、スポーツウエアの機能を持つスタイル」を提案するブランドと想定し、これまで培ってきた技術をエレガントなアイテムにも搭載することで、「これから」のスタイルを形作った。その意味で24-25年秋冬コレクションは、次の25年で追求する指針をのぞかせている。庄田良二「オニツカタイガー」グローバルカンパニー長に、参画してからこれまでと、これからの「オニツカタイガー」について話を聞いた。

目指すのはスポーツウエアに見えない、
スポーツウエアの機能がある洋服

「オニツカタイガー」は1949年の創業以来、運動に重要な機能性を重んじたモノ作りを続けてきた。2002年に復刻し、13年にアンドレア・ポンピリオを迎えてからは、機能性を重んじながらファッション性を注入することを心掛けている。一般的には機能を重視すればファッション性は薄れ、「オニツカタイガー」の場合はファッション性だけに傾倒するとアイデンティティーを失ってしまうが、私たちこそ、その双方を両立しなければならない。

機能にはさまざまあるが、「オニツカタイガー」にとって一番大事なのは、「軽さ」だ。この「軽さ」には、二つの意味がある。まず一つは、文字通りの「軽さ」。軽い洋服は着心地が良いから、人々はずっと着たいと思ってくれる。そしてずっと着るから、その洋服で自分らしいスタイルを描き、自分自身を表現しようと試みる。結果、ブランドへのシンパシーが強くなる。「軽さ」は洋服単体のみならず、ブランドとお客さまのエンゲージメントにおいても重要だ。軽ければ、輸送に伴う二酸化炭素の排出なども軽減できるだろう。

新たな姿を“仄めかし”続ける

もう一つ大事な「軽さ」は、「イージー」であること。人々のライフスタイルはアクティブになるばかりだ。今シーズンのジャケットのように、簡単に持ち運んだり、すぐ着用できたりという手軽さも欠かせない。二つの「軽さ」をクリアするには今後、母体のアシックスならではの生産背景とノウハウを持つシューズのみならず、ウエアにおいても素材から自分たちで開発するなどの挑戦が必要になるだろう。

75周年を迎えたこれまでは、伝統を守りながら、どれだけ進化できるかを日々チューニングしてきた。これからも過去の75年を振り返るのではなく、100周年に向けて何をしていくべきなのか?を考え、ヘリテージを見せるのではなく、新たな姿を“仄めかし”続けることで歩み続けたい。目指すのは、「スポーツウエアには見えないけれど、スポーツウエアの機能がある洋服」。漠然としているかもしれないが、こんな洋服が作れれば、着心地においても、自己表現においても、「ずっと着たい」と思ってもらえる洋服が作れるはずだ。

100周年で“なりたい
「オニツカタイガー」”を想像しながら

私が参画して以来、「オニツカタイガー」には二つの変革期があったと思う。最初は、アンドレアと協業を開始したとき。13年から、日本ブランドである前に、世界ブランドを目指していることを忘れないように心掛けてきた。私たちは、日本ブランドとして、世界ブランドになる。そのためには、海外のお客さまが支持してくれるスタイルを生み出す必要があり、クリエイティブに日本人以外の視点を加える必要があった。アンドレアは外国人だから、彼による日本のカルチャーの解釈は、日本人には時にちょっとした違和感があるかもしれない。でも、それを否定して日本人だけで日本らしさを追求してしまうと日本の伝統工芸になってしまう。解釈が日本人と違っても、そこにリスペクトがあれば構わない。そう思いながら、アンドレアとコミュニケーションを重ねてきた。もう一つの転換期は、卸の大半を止めて直営体制にシフトしたこと。自分たちでブランド価値を上げられるようになったし、D2Cブランドだからこそお客さまと直接コミュニケーションできるようになった。100周年の時の「ありたい『オニツカタイガー』の姿」を想像しながら、お客さまからのフィードバックを感じつつ、バックキャストで今なすべきことを考える体制が整ったと思う。

生誕75周年にスタートした
レッドコンセプトストア

銀座に4店舗目としてオープンした「オニツカタイガー」レッドコンセプトストアは、ヘリテージスタイルを展開する店舗として、ブランドを代表するモデルのひとつ、"メキシコ 66"を100種類以上販売している。また、同店で購入した"メキシコ 66"にアルファベット、数字、記号を刺しゅうするサービスも提供。2階ではブランド初のカフェ"オニツカタイガー カフェ75"も併設している。

INFORMATION
オニツカタイガー レッドコンセプトストア

住所:東京都中央区銀座4-5-1 聖書館ビル
営業時間:11:00〜20:00

問い合わせ先
オニツカタイガージャパン お客様相談室
https://www.onitsukatiger.com/jp/ja-jp/contact/