ビジネス
連載 エディターズレター:MARKET VIEW 第21回

しまむらの縄張り

有料会員限定記事


元日の能登半島地震は、繊維ファッション業界にも影響を広げています。

被害が大きかった石川県や富山県には合繊など素材産地が広がっており、工場の操業を停止するケースが見受けられます。

大手ファッション小売業では、石川県金沢市のような中核都市に出店する企業は多いものの、人口の少ない能登半島に出店する企業は限られます。大きな被害があった七尾市(人口約4万7000人)には「ユニクロ(UNIQLO)」「ファッションセンターしまむら」「ワークマン(WORKMAN)」「AOKI」「洋服の青山」が出店しています。

能登半島で最も店舗を持っているのは、おそらく「ファッションセンターしまむら」です。七尾以外にも羽咋(はくい)、穴水、輪島のロードサイドに店舗を構えており、4日10時時点では4店舗とも安全確認のため営業を見合わせていました。

しまむらは他の大手ファッション小売業と異なるのは、1万5000世帯程度の小商圏を前提に店舗開発しているところです。日本の平均的な1世帯あたりの衣料品購入額は年間10万円。つまり1万5000世帯の小商圏の購買力は約15億円になる。その商圏購買力の20%を占める約3億円の売り上げが1店舗の基本です。それを前提に緻密な配送網を築き、徹底した効率化を実現しているのが、しまむらの強さであり、都市ではなく地方で高いシェアを持っているのです。

この続きを読むには…
残り587⽂字, 画像1枚
この記事は、有料会員限定記事です。
紙版を定期購読中の方も閲覧することができます。
定期購読についてはこちらからご確認ください。
最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

韓国ブランドの強さに迫る 空間と体験、行き渡る美意識

日本の若者の間で韓国ブランドの存在感が増しています。K- POP ブームが追い風ですが、それだけでは説明できない勢い。本特集では、アジアや世界で存在感を示すKブランドや現地の人気ショップの取材から、近年の韓国ブランドの強さの理由に迫ります。

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

@icloud.com/@me.com/@mac.com 以外のアドレスでご登録ください。 ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。

メルマガ会員の登録が完了しました。