
いま皆さんが着ている服の裏側には、左の脇腹あたりに織りネームが付いているはずです。めくれる人はめくって見てください。素材表示や洗濯表示とともに原産国表示があるでしょう。「中国製」「Made in Vietnam」「バングラデシュ製」「MADE IN USA」など、さまざまな国名が確認できると思います。服の原産国とは、縫製した国を指します。
「MADE IN JAPAN」を着ている人はいますか? 残念ながら少ないはずです。日本で流通する服のうち、日本製は100点中1点程度なのですから。
日本繊維輸入組合が、6月25日に発表した「日本のアパレル市場と輸入品概況2026年版」によると、25年に日本で供給された服のうち国産の占める割合は1.1%でした(数量ベース)。前年に比べて0.3ポイント減少しました。
1990年は50.1%ありました。生産拠点が中国に移り出した90年代半ば以降、減少に拍車がかかり、2000年に14.5%、10年に4.0%、20年には2.0%。以後も毎年0.数ポイントずつ減り続け、もはや1%を割る寸前です。
国内の縫製工場は長年続く収益悪化に加えて、近年の物価高や最低賃金アップが打撃になり、さらには経営の後継者不足、働き手の不足にも見舞われ、廃業に追い込まれるケースが相次いでいます。ワコールやグンゼといった大手の直営国内工場でさえ閉業を余儀なくされています。
1.1%の「MADE IN JAPAN」が生き残る道はあるのでしょうか。非常に難易度が高いことではありますが、高い技術を生かした工場のブランド化はその一つでしょう。「中価格帯」ではなく「高価格帯」へのシフトです。
例えばスポーツウエアのデサント(DESCENTE)です。1970年から操業してきた水沢工場(岩手県)を約30億円かけて建て替えて、最新鋭の設備を入れた新建屋での生産を昨年秋から始めました。人気商品“水沢ダウン”の専用工場です。中心価格は14万〜15万円。高級化路線に舵を切り、生産地そのもののブランディングに着手しています。同社は同様の手法で吉野工場(奈良県)でポロシャツを、西都工場(宮崎県)で競泳水着を強く打ち出しています。国内市場だけでなく、中国などの海外市場を見据えた戦略的な投資です。
1.1%の国内生産を「守る」という発想でなく、積極的に海外市場へ向けて「攻める」という切り替えが必要かもしれません。
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