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連載 エディターズレター:FROM OUR INDUSTRY 第83回

2024年はバックキャスティング

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新年最初の「WWDJAPAN」は、「もしかしたら起こるかもしれない5つの世界」のファッションについて考えます。5つの世界とは、「雨の止まない世界」「空中で暮らす世界」「月を行き来する世界」「菌類に覆われた世界」そして「仮想空間で生きる世界」の5つ。そうそうたるファッション業界人はもちろん、JAXAや清水建設などの異業種の皆さんとともに、荒唐無稽とは言えない世界とそこでの暮らし、そしてファッションを想像します。新年号っぽいでしょう(笑)?少し先の未来の話になりますが、ご期待ください。

さて、この取材をしていると「バックキャスト」もしくは「バックキャスティング」という言葉を頻繁に耳にします。みなさん、ご存知でしょうか?簡単に言えば、最初に目標とする未来像を描き、次にそれを実現するための道筋を未来から現在へと遡って考える思考法だったり手法のことです。ちなみに対義語は「フォアキャスト」もしくは「フォアキャスティング」。こちらの出発点は現在。目標とする未来像を描くというよりは、「できるところからやる」感覚で未来に向かって少しずつ成果を積み重ねるのです。

もちろん、私が興味を持つのは「バックキャスティング」です。だって「目標とする未来像」から逆算するワケですから、基本は常にワクワクするゴールを意識して仕事・思考できるわけです。一方の「フォアキャスティング」は、「目標とする未来像を描くというより」とは書いたものの、そもそも「目標とする未来像」を描くことさえしないと言います。私みたいなタイプは、「え〜、それでいいんですかぁ?」という感じです(笑)。ちなみにフォアキャスティングは、現在の技術やビジネスモデル、マネージメントを改善したいときに活用するそうです。私に言わせれば「対処療法」ってカンジでしょうか?「対処療法」の対義語は、「原因療法」。この場合、無論、私が好きなのは後者です(笑)。表層的ではなく、本質に迫っている感じがしませんか?そんな思いは、下のお手紙でも書き連ねているので、よろしければご覧ください。

とはいえ実務を担い、日々仕事を潤滑に回す立場の人間としては、「フォアキャスティング」や「対処療法」をチョイスすることもあるでしょう。ただ心の中では、常々「バックキャスティング」を忘れずにいたいもの。「フォアキャスティング」するときは、「バックキャスティング」のために「フォアキャスティング」するというスタンスを取りたいものです(まどろっこしいですねw)。

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