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「思い出は消えない」けれど「アナ スイ」は継続して欲しい ファッションフリークOL「WWDジャパン」最新号につぶやく

 1992年生まれのファッションフリーク女子が、今週のファッション週刊紙「WWDジャパン」で気になったニュースを要約してお届け。渋谷のファッションベンチャー企業に勤める等身大OL、Azuのリアルな目線を生かした「このニュースからはコレが見える」という切り口で、さまざまな記事につぶやきを添えます。

今日のニュース:P.8「三越伊勢丹HDが『アナ スイ』事業を終了」

読み解きポイント:「ちょっと大人」になりたかったあの時の私に贈る「アナ スイ」

ニュースのポイント

 三越伊勢丹ホールディングスは「アナ スイ(ANNA SUI)」事業を2020年3月末で終了する。同社は1996年に米アナ スイ社とのライセンス契約を締結。2018年3月の運営子会社マミーナの清算に伴い本体に事業を移管したが、主力の婦人服が苦戦し、売り上げはピーク時の07年の半分程度に落ちていた。同社広報によると国内のライセンシー15社との契約が見直される可能性もあるという。事業終了後も自社とは別のライセンス会社が展開する「アナ スイ」商材については、三越伊勢丹各店舗での取り扱い継続を検討していくとしている。

AZUはこう読む!

 「アナ スイ」は、とにかく中学・高校時代に憧れたブランドでした。友達の誕生日プレゼントにはミニタオルや手鏡を贈るのが定番。キラキラやピンク、キャラものの幼い雑貨からちょっと距離を置きたくなるおませな時期にはぴったりの「大人の」ブランドに見えました。カバンの中にあのゴシック調のデザインや蝶のモチーフ、独特の鮮やかな紫が見えると心が躍ったものです。

 当時はライセンスの仕組みなんて知らなかったので、デパートの一階で買うミニタオルや定期入れも、全部ひっくるめて「アナ スイ」だと思っていました(もちろんそれも間違っていないのですが)。大人になりライセンスというビジネスモデルを知って「『アナ スイ』とかのことかぁ」と、あの頃夢中になった雑貨やコスメに想いを馳せました。

 「アナ スイ」にはプレゼント交換以外にも特別な思い出があります。1999年に発売された最初の香水「アナ スイ」は”ザ・アナ スイ!”というパッケージで、持っているだけで魔女っ子ゴコロをくすぐられるようなデザイン。それは、亡き母がよくつけていた香水でした。小さな頃は濃くて甘ったるくて苦手だった、あのミステリアスな香り。高校生の私には早すぎるくらい大人な香りに感じたけれど、残していったボトルを抱きしめ、香りを纏うことで、まだそばにいてくれるような気になれたのです。

 10年以上が経った今でも、その香りとすれ違うとドキッとします。香りは本当に一瞬で記憶を連れ戻すので、たまにちょっと困っちゃう。そしてその香りと一生すれ違えなくなってしまうのはもっと困ってしまうので、なんとか継続してほしいです。

 「アナ スイ」に限ったことではありませんが、長く続くブランドや商品にはそのひとつひとつに何千ものストーリーがあります。作られた背景という意味ではなく、手にした人、ひとりひとりの。だからもし事業が継続されずに商品がなくなったとしても、思い出は一生消えないから大丈夫。でも、「アナ スイ」のネイルが買えなくなるのは大丈夫じゃないかも……!

Azu Satoh : 1992年生まれ。早稲田大学在学中に渡仏し、たまたま見たパリコレに衝撃を受けファッション業界を志す。セレクトショップで販売職を経験した後、2015年からファッションベンチャー企業スタイラーに参画。現在はデジタルマーケティング担当としてSNS運用などを行う。越境レディのためのSNSメディア「ROBE」(@robetokyo)を主催。趣味は、東京の可愛い若手ブランドを勝手に広めること。ご意見等はSNSまでお願いします。Twitter : @azunne