スカーフの勢いは強まる一方です。髪を包み込む“真知子巻き”は夏に活躍するイメージが強かったですが、2025-26年秋冬、そして2026年春夏コレクションにも引き続き登場。紫外線対策にも防寒対策にも役立つアイテムとしても支持を集め、レトロで穏やかなムードを呼び込むスカーフ使いが注目されています。今回は、コレクションルックや街角スナップから、“真知子巻き”のスタイリング術をご案内します。
例えば「グッチ(GUCCI)」は、2025-26年秋冬コレクションでグリーンのマイクロミニドレスに、サーモンピンク調のスカーフで“真知子巻き”を披露しました。ポイントは、同色のキャップを合わせてひとひねり効かせている点。どんな色にもなじむアイボリーカラーのバンブーバッグが、ルック全体をやわらかくまとめています。
Y2Kにツヤを添えるスカーフアクセント
カジュアルスタイルをクラスアップ
ロンドンのブランド「シネイド・ゴリー(SINEAD GOREY)」は、2026年春夏コレクションで、メッセージTシャツとローライズのミニスカートにブーツを合わせたY2Kファッションに、“真知子巻き”でさらにアクセントをプラスしました。サテン地のスカーフがカジュアルなルックにツヤと立体感を添え、ノスタルジックながらもバランスを生み出しています。
ラベンダーが誘う
ノスタルジックな大人の甘さ
そもそも“真知子巻き”の名前は、1953年の映画「君の名は」の主人公・氏家真知子のストール姿に由来します。今年は“昭和100年”の節目を迎え、レトロブームが盛り上がる中、“真知子巻き”もリバイバルの兆し。ヘッドスカーフを好んだ英国のエリザベス女王のように、チャーミングな巻き方は装いに品格を添えてくれます。
「アナ スイ(ANNA SUI)」は2025年春夏コレクションで、ラベンダーカラーのスカーフをあごの下で結ぶ、いわゆる“真知子巻き”の基本形を披露しました。ミニスカートやハイソックスで合わせて、“大人かわいい”スタイルは、さすが「アナ スイ」。どこかノスタルジックな雰囲気が漂うのも、この巻き方ならではの魅力です。
トータルコーデで完成する
上品なすっきり感
ヘッドスカーフが浮いて見えるのを防ぐには、服の色や柄に近いトーンを選ぶのが賢いチョイス。全体に統一感が生まれ、ぐっと洗練された印象に仕上がります。春夏は軽やかで涼しげな色・柄を、秋冬は暖色系を取り入れるのがおすすめです。
カンヌでキャッチされた女性は、青緑カラーの斜めストライプが印象的なウエアに、おそろいのヘッドスカーフを合わせ、見事なハーモニーを奏でています。“真知子巻き”で髪をカバーしたスタイルは、避暑地カンヌにぴったりのバケーションルック。実はトップスもビッグスカーフを服のように巻き付けています。
キャップ×スカーフで魅せる
ジェンダーレスな艶スタイル
映画のヒロインから広まった“真知子巻き”ですが、近ごろはメンズの愛用者も増えてきました。メンズの場合、たおやかさを演出するのではなく、ラフさやワイルドさを醸し出すスタイリングが主なまとい方。頭にバンダナを巻くイメージからの派生ともいえそうです。
写真の男性は、帽子の上から赤いヘッドスカーフを巻いたスタイルを披露しました。夏の野外フェスでは横からの日射しをブロックし、熱中症防止の面でも効果的です。一方、秋冬のイベントでは冷たい風を防ぐ防寒対策としても活躍。帽子のテイストとあえてずらすことで、こなれたムードを演出しています。サテン系の艶感のあるパンツが、グラマラスなエッセンスを添えたカジュアルルックに仕上げました。
紫外線や防寒対策、ムードづくりなど、メリットの多い“真知子巻き”。スカーフ次第で自在にイメージを操れるのが魅力です。季節によってカラーを変えながら、頭からコーディネートを楽しんでみてはいかがでしょうか。