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ファストリ倉庫業務の完全自動化目指す ITのプロ「WWDジャパン」最新号につぶやく

 大手通信会社に入社後、国内外でITソリューションを提供するビジネスマンが、今週のファッション週刊紙「WWDファッション」で気になったニュースを要約してお届け。最先端のテクノロジーから企業と、その利用者が必要とするものについて考え続けたITのプロ、CKRが未来的視点からニュースにつぶやきを添えます。

今日のニュース:P.7「ファストリが倉庫自動化を加速」

読み解きポイント:Amazon、Shopifyにもない「完全自動化の倉庫」。提携企業MUJINにも注目。

ニュースのポイント

 ファーストリテイリングは有明プロジェクトの一環として、新たに、物流倉庫内ピッキング作業の自動化を担うMUJIN、Exotec Solutionsの2社とグローバルパートナーシップ契約を締結した。すでにパートナーシップを結んでいる、マハテン機器、ダイフクとも連携し、倉庫の自動化を加速する。通常、5年以上かかるサプライチェーンの改革を、3~5年のうちに達成すると柳井正社長兼会長は話す。

CKRはこう読む!

 「倉庫業務の完全自動化」。MUJIN、Exotec Solutionsとの提携の狙いはここにあります。倉庫内で商品の搬入、保管、出荷をするためには、棚の出し入れや、商品のピッキングを行う必要があります。

 EC大手のアマゾン(Amazon)では、自社倉庫でAmazon Robotics(元々は7億7500万ドル(約852億円)で買収したKiba Systems(キバ・システムズ))を活用し、作業の自動化を図っています。ロボットが可動式商品棚を作業員の前まで運び、作業員は歩くことなく、商品のピックアップを行います。つまり、最後のピッキングは、人を介しているということです。

 ECプラットフォーム構築大手のショッピファイ(Shopify)は、4億5000万ドル(約495億円)で買収した倉庫自動化企業「6 River Systems(シックス リバーシステムズ)」を活用し、作業の効率化を図っていますが、これもAmazonと同じく、商品のピッキングは人が行っています。

 ファーストリテイリングは今回の提携により、商品のピッキングまでロボットによる自動化を目指すことになります。

 提携したMUJINは、2011年創業の日本発ロボットコントローラーメーカーです。コントローラーという名前の通り、ロボットというハードウエアではなく、動作を制御するソフトウエアを開発、販売しています。通常、ロボットはあらかじめ教え込まれたプログラムに基づく動作しかできません。普段、人が行っている、重さや固さ、大きさなどを確認してから、その特性に応じて「ものをピックアップする」という動作は、ロボットとって難しいということです。MUJINは、ピックアップするものを都度画像認識し、最適な動作方法を瞬時に計算し命令することで、「柔軟なピックアップ」という知能をロボットに吹き込みます。「ユニクロ(UNIQLO)」が扱う服は、素材が柔らかく、大きさもさまざま。しかもECのように、都度異なるリクエストに応えるためには、人によるピッキングオペレーションに頼るしかないと考えていたところ、革新的な技術に出合い、提携に至ったのではないでしょうか(MUJINの技術は、すでに国内で14年からアスクル、PALTACなどで採用されいています)。

 ユニクロによる倉庫業務の完全自動化という点だけではなく、ビッグネームとの提携により知名度が上がった、MUJINの今後の動向にも注目です。

CKR Kondo : 大手通信会社に入社後、暗号技術/ICカードを活用した認証決済システムの開発に従事。その後、欧州/中東外資系企業向けITソリューションの提供、シンガポール外資系企業での事業開発を経験。企業とその先の利用者が必要とするもの、快適になるものを見極める経験を積み、ウェアラブルデバイスやFree WiFiを活用したサービスインキュベーションを推進。現在は、米国、欧州、アジア太平洋地域にまたがる、新たなサイバーセキュリティサービスの開発を推進中