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コム デ ギャルソンが話題のDJとコラボ、に思う エディターズレターバックナンバー

※この記事は2019年5月21日に配信した、メールマガジン「エディターズレター(Edito's Letter)」のバックナンバーです。最新のレターを受け取るにはこちらから

コム デ ギャルソンが話題のDJとコラボ、に思う

 「WWDジャパン」は1月14日号の特集「“ヴァージル・アブロー(Virgil Abloh)”という男」の中で、時代の寵児であるヴァージルのロングインタビューを掲載しました。ビジネスヒントにつながる名言のオンパレードでしたが、中でも印象に残ったのは「おそらくDJはベストな副業だ」という言葉です。

 「オフ-ホワイト c/o ヴァージル アブロー(OFF-WHITE c/o VIRGIL ABLOH)」「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」「ナイキ(NIKE)」など、複数のブランドに携わり多忙を極めるヴァージルですが、今でもそれらの仕事とは別に世界各地のさまざまなイベントでDJを行っているそうです。それは「デザイナーとブランドが現地の消費者と交流するのと同じだと考えている」から。「だから17歳から続けてきた20年のDJ経験は自分の基盤になっている」と言います。

 私はDJをしたことがないのでわかりませんが、言葉が通じない国で見知らぬ人たちが自分の選曲に体を揺らしたり盛り上がったりしたら嬉しくて快感だろうし、言葉は通じずとも人々が今何を求めているのかを体感できるはず。トップダウンではなく、世界同時進行で広がる情報や感性の渦の中から新しいムーブメントが生まれる今、鋭いアンテナを持つヴァージルのようなDJがファッションと関係を深くするのはごく自然のことだと思います。

 だから、先週「WWD JAPAN.com」が配信した「コム デ ギャルソン(COMME DES GARCONS)と人気DJのハニー・ディジョン(Honey Dijon)が新ブランド設立 DJバッグなどを発売」のニュースには至極納得しました。トランスジェンダーであり黒人であるディジョンは、「ルイ・ヴィトン」のメンズのショーの音楽などでも活躍しています。インスタグラムに上げている自身のDJとそれに盛り上がる観客たちの様子から、このブランドが国籍やジェンダーを超えて盛り上がる様子が想像できます。

 ドーバー ストリート マーケット ギンザ(DOVER STREET MARKET GINZA)は4月に世界中からデザイナーやアーティストを集めて顧客と交流する1日限りのイベントを開催しました。店舗で好きなデザイナーに会える、ファンに嬉しい“オフ会”です。その取材中にエイドリアン・ジョフィ(Adrian Joffe)=コム デ ギャルソン インターナショナル最高経営責任者(CEO)が「これはコラボというより、コミュニティー」と短く話してくれました。ハニーとのブランドも同じくコミュニティーが大切だと言えるでしょう。

 ユーミンはファミレスでの若い女性たちの会話からヒントを得て歌詞を書いていたというウワサはあくまでウワサであり都市伝説の域のようですが、ユーミンのような女性の心を代弁するヒットメーカーが“そうしていたんじゃないか”とウワサが立つのもわかります。そして、ファッションとDJの関係もこの話に通じるものがあると思います。

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