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まるで夢の世界 女性が輝くステージの舞台裏を見せる「ロジェ ヴィヴィエ」の新作プレゼンテーション

 ゲラルド・フェローニ(Gherardo Felloni)=クリエイティブ・ディレクターが手掛ける「ロジェ ヴィヴィエ(ROGER VIVIER)」は毎シーズン、パリコレ期間中に“ホテル ヴィヴィエ(HOTEL VIVIER)”と題したプレゼンテーションを開き、エンターテインメント性あふれる演出で見るものをファンタジーの世界へといざなう。3回目となる2020年春夏シーズンもその期待を裏切ることなく、「カワイイ」と言わずにはいられないゲラルド・ワールドが炸裂した。今シーズンのテーマは、役者などの集合時間を意味する“コールタイム(Call Time)”。「パフォーマンスで披露されるのは、いつも本番という表側だけ。今回はホテル ヴィヴィエの裏側、つまり隠されたバックステージの部分を見てもらいたかった」とゲラルドが語るように、女性を主役にしたさまざまなシーンの舞台裏で、新作を披露した。

 入り口にはいつものようにフロントデスクが置かれ、今季はグラマラスな女性が来場者を迎える。後ろの棚に飾られているのは、色とりどりの“RV ミニ バッグ(RV MINI BAG)”だ。階段を上がると、2階では異なる設定で作られたいくつもの小部屋の中で、個性豊かなキャラクターたちが本番に向けて準備中。そこには、類い稀な演技力で知られるモデルのアナ・クリーヴランド(Anna Cleveland)とコミカルなオートクチュールデザイナーがフィッティングを行うアトリエもあれば、キャバレーのショーガールがステージを待つバックステージや、チアリーダーが集うロッカールーム、バレリーナが練習に励むスタジオもある。また、廊下ではミスユニバースの候補者が笑顔を振りまき、奥に隠されたスモーキングラウンジではジョセフィン・ベーカー(Josephine Baker)、ブリジット・バルドー(Brigitte Bardot)、マレーネ・ディートリッヒ(Marlene Dietrich)、エリザベス二世(Elizabeth II)、ジャクリーン・ケネディ(Jacqueline Kennedy)という創業者のロジェ・ヴィヴィエ(Roger Vivier)にゆかりのある人物に扮した役者たちが密会を楽しんでいる。

 そんな中で披露されたコレクションは、部屋によってテイストの異なるアイテムを展示しているだけあって、バリエーション豊富だ。特に印象的なのは、フェザーとラフィアの装飾を手作業で施した“ティキ(TIKI)”シリーズのドラマチックなミュールとバッグ。ブラック×ベージュのコンビネーションに加え、ピンク、オレンジ、イエロー、ラベンダーで提案する。さらに、アンティークジュエリーから着想を得たフラワーモチーフのスクエアバックルも多用し、ポインテッドトウのパンプスやサンダルのアッパーとバッグのフラップに華やかさを添える。クロッグスタイルが新鮮な新作サンダル“ヴィヴ クロッグ(VIV’ CLOG)”は、ナチュラルなウッドソールにレザーや柄入りのグログランのアッパーを合わせたタイプと、ウッドソールまでを鮮やかなワントーンでまとめたタイプをラインアップ。イブニングシューズは、エリザベス二世の戴冠式のために作られたシューズから着想を得たという、アイリスモチーフの紋章がクリスタルであしらわれた“ヴィヴィエ クイーン サンダル(VIVIER QUEEN SANDAL)”が目を引く。スニーカーなどのカジュアルなアイテムは、「RV」のロゴや「ROGER VIVIER」のレタリングがポイントに。バッグでは、アイコンバッグ“ヴィヴ カバ(VIV’ CABAS)”や“トレ ヴィヴィエ(TRES VIVIER)”をデニムやラフィア、ベルベットなどの素材と繊細な花の刺しゅうでアレンジしたモデル、バニティバッグのミニサイズ、キャンバスのトートなどが登場した。

 そして、1時間に1回ベルが鳴ると、“本番”がスタート。各部屋にいたキャラクターたちが1階に集合し、広間に用意された真っ赤なランウエイをそれぞれの個性を生かして思い思いに闊歩した。

JUN YABUNO:1986年大阪生まれ。ロンドン・カレッジ・オブ・ファッションを卒業後、「WWDジャパン」の編集記者として、ヨーロッパのファッション・ウィークの取材をはじめ、デザイナーズブランドやバッグ、インポーター、新人発掘などの分野を担当。2017年9月ベルリンに拠点を移し、フリーランスでファッションとライフスタイル関連の記事執筆や翻訳を手掛ける。「Yahoo!ニュース 個人」のオーサーも務める