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メーガン妃効果は抜群 クチュールを取り戻した「ジバンシィ」

 メーガン・マークル(Meghan Markle)=サセックス公爵妃殿下(以下、メーガン妃)と言えば「ジバンシィ(GIVENCHY)」のイメージが定着している。2018年に英国ハリー王子との挙式で「ジバンシィ」のウェディングドレスを着たことに始まり、その後も公務の場で同ブランドを何度も着用しているからだ。エリザベス女王との初公務でも手には「ジバンシィ」のバッグ“クロス スリー”を持っていた。

 降りた車のドアを自分で閉めたことが話題になるなど一挙手一投足が話題になる同妃だが、その立ち振る舞いから自立した女性の印象を受ける。現在「ジバンシィ」を手掛けるクレア・ワイト・ケラー(Clare Waight Keller)=アーティスティック・ディレクターもまた自立心の強い英国女性であり、同妃の良きファッションアドバイザーとなっているようだ。クレアは挙式当日も同妃に帯同しており、肝心なシーンでベールの裾を手早く直すなどプロフェッショナルに徹した仕事がニュース映像にしっかり映っていた。

 そんなメーガン妃効果もあってか「ジバンシィ」のオートクチュールが勢いに乗っている。同ブランドはしばらくの間、オートクチュールをショー形式では発表していなかったが、クレアが現職に就いたことで復活。オートクチュールメゾンとしての輝きを取り戻している。

 19年春夏オートクチュールのショー会場は、1937年のパリ万博の際に建てられたパリ市立近代美術館。同館のロウワーギャラリーを白一色で覆い、床も椅子も真っ白でまとめた。壁には来場者の影が浮かび上がるばかりで何の装飾もない。その理由についてクレアは「何もない、フレッシュなところから始めたかった。そこに驚くような色、驚くようなテクニックを置きたかった。すべては美しいシルエットや建築的な構造を見せるために」と話している。

 一番目のルックは、ラテックスのピタピタの黒いスパッツに、黒白のバイカラーの構築的なジャケット。文字にするととても強いスタイルであり、実際に強い印象を与えるが、品の良さも失なわないのがクレアの仕事の魅力だ。目の覚めるような黄色やピンクといった色使いも同様で、仕立ての良さであくまでエレガントに着地している。逆にギュピールレースはラッカーで仕上げるなど、伝統的な素材はモダンに扱う。

 大きなリボンを飾ったドレスは背中部分がリュックサックになっているなど、思わずカメラを向けてしまうキャッチーなアイデアも。メーガン妃という真の“インフルエンサー”を味方につけているクレアだが、そこに依存することなく前に進みたい、そんな強い意志が伝わってくるコレクションだ。