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富裕層においてもラグジュアリー消費の減速が鮮明になるなか、2026年春夏のミラノ&パリ・メンズ・ファッション・ウイークは、派手さから距離を置き、「何を長く信じて着続けられるか」を問い直す場となった。誇示やハイプではなく、定番性、素材、仕立てに立ち返る動きが広がる今、メンズ・ラグジュアリーは新たな価値軸の構築を始めている。(この記事は「WWDJAPAN」2026年1月5日&12日合併号からの抜粋です)
記者はこう見る!

佐藤慎一郎/編集部記者
2025年、印象に残った取材
藤井風さんを巻頭に迎えた「舞台衣装特集」。衣装に関する知識がほとんどない状態からリサーチやインタビューを重ねて学んでいくプロセスが刺激的だった。作り手の熱い思いに触れて背筋が伸びた。
2026年、こんな取材がしたい
昨年地方のセレクトショップ取材をして、各地域には独自性を尖らせた個性的なショップがあることを知った。また東京以外の場所で根を張る面白いショップやブランド、個人にフォーカスする取材をしたい。
ILLUSTRATION : UCA
「定番」を信じ直す時代へ
ラグジュアリー再定義で潮目変わるか
フランスのリサーチ会社アルティアントが、2025年第3四半期における世界の富裕層のラグジュアリー消費動向をまとめたデータを発表した。それによれば、モニター対象となった富裕層の20%が、今後12カ月間でデザイナーファッションへの支出を減らす意向を示している。富裕層の買い控えは年々拡大しており、19年時点ではデザイナーファッションをまったく購入しなかった層は全体の15%にとどまっていたが、今期には25%にまで増加した。これらのデータは、富裕層においてさえラグジュアリー消費が減速している現実を浮き彫りにする。
こうした環境下で開催された26年春夏のミラノ&パリ・メンズ・ファッション・ウイークは、単にトレンド更新の場というよりも、ラグジュアリーの定義を問い直す機会となった。誇示やハイプ、分かりやすい差別化で成立してきた従来型ラグジュアリーが効力を失い、メンズウエアは上質な“定番(ステイプル)”を軸に、自由な組み合わせによって個々のムードをつくる方向へと舵を切っている。
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