ラグジュアリーブランドがいま最も注力する顧客層が「VIC(Very Important Customer、超重要顧客)」だ。単価と購入頻度が高く、ブランドの売り上げに大きな影響を与える最上位顧客を指す。その戦略の背景に、続く富裕層の買い控えや、ラグジュアリーブランドに憧れを持つ“アスピレーション層”の減少がある。海外の調査データから富裕層消費の変化と、苦境を打破するためのラグジュアリーブランドの最新の一手を読み解く。(この記事は「WWDJAPAN」2026年2月16日号からの抜粋です)
パリ拠点のラグジュアリー・コンサルティング会社MADは、調査会社アルティアントによる富裕層のラグジュアリー消費に関するデータ(2025年7〜9月)を分析した。調査対象は、世帯年収の中央値が27万ドル(約4212万円)、投資可能資産の中央値が88万3000ドル(約1億3774万円)の北米と欧州、アジアの18歳以上の男女。回答者全体の20%が今後12カ月間でデザイナーズブランドの購入を減らす傾向にあることが分かった。これを踏まえ、引き続きラグジュアリー消費の落ち込みが予想されている。
カテゴリー別に見ると、「購入しない」と答えた率はデザイナーズブランドのアパレルが25%、レザーグッズは31%、ジュエリーは32%、時計は44%を記録。特にレザーグッズは価格高騰などの影響もあり、19年同期比8%増と、3人に1人が買い控える結果となった。地域別では、北米がファッション全体の消費に対して最も意欲的で、「購入しない」と答えた層はわずか16%。複数回の購入率も最も高かった。一方欧州は33%と慎重な姿勢を示し、ジュエリーについては52%が「購入しない」と答えている。世代別では、40歳以上の層の消費率が落ち込む一方で、18〜39歳の若年富裕層は、相対的に購買意欲が保たれていることが分かった。
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