LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)を率いるベルナール・アルノー(Bernard Arnault)会長兼最高経営責任者(CEO)一族の持株会社が、LVMHの株式資本の50.01%と過半数を保有していることが明らかになった。事情を知る情報筋の話として、海外メディアが報じた。2025年12月末の時点では49.77%を保有しており、最近の株安傾向を受けて買い増したものと見られている。なお、議決権も同じく65.89%から65.94%に増加しているという。
アルノー会長兼CEOは、LVMHが1月27日に発表した25年12月期決算のアナリスト向けの説明会で、同社における一族の持分が近日中に50%を超える見込みと発言していた。
持株会社とLVMHの関係は?
アルノー家の主な持株会社には、フィナンシエール・アガシュ(FINANCIERE AGACHE)とその傘下であるクリスチャン ディオールSE(CHRISTIAN DIOR SE)がある。24年12月末の時点で、フィナンシエール・アガシュはクリスチャン ディオールSEの株式資本の97.5%を、クリスチャン ディオールSEはLVMHの株式資本の42%を保有。これらを通じ、アルノー家はLVMHを支配下に置いている。
盤石な一族支配体制
現在76歳のアルノー会長兼CEOには5人の子どもがおり、長女のデルフィーヌ・アルノー(Delphine Arnault)=クリスチャン ディオール クチュール会長兼CEO、長男のアントワン・アルノー(Antoine Arnault)LVMHヘッド・オブ・コミュニケーション&イメージ、次男のアレクサンドル・アルノー(Alexandre Arnault)LVMH ワイン&スピリッツ部門副CEO、三男のフレデリック・アルノー(Frederic Arnault)=ロロ・ピアーナCEO、四男のジャン・アルノー(Jean Arnault)=ルイ・ヴィトン ウォッチ部門 マーケティングおよびプロダクト・ディベロップメント・ディレクターと、全員グループ内の要職に就いている。いずれも有望な後継者候補だが、LVMHが25年4月に開催した株主総会で、CEOの年齢制限を80歳から85歳に延長する議案が承認されたことを踏まえると、世代交代はまだ先のことになりそうだ。
なお、ジャン以外の4人はLVMHの取締役会に所属しているほか、アントワンはクリスチャン ディオールSEのCEO兼副会長を、フレデリックはフィナンシエール・アガシュのマネージング・ディレクターを兼任するなど、盤石な一族支配体制となっている。