大丸松坂屋百貨店、パルコを傘下に持つJ.フロント リテイリングの2026年2月期(2025年3月〜2026年2月)連結業績(国際会計基準)は、総額売上高が前期比1.7%増の1兆2904億円、営業利益が同15.8%減の490億円、親会社の所有者に帰属する当期利益が同31.7%減の282億円だった。営業利益と当期利益の大幅減は、前期に計上したパルコ完全子会社化に伴う段階取得差益などの一過性利益の反動によるもの。SC事業とデベロッパー事業の伸長により、営業利益は25年10月公表の修正計画を50億円上回って着地した。
主力の百貨店事業は、総額売上高が前期比0.5%増の8286億円、営業利益は同0.6%増の298億円。富裕層消費の堅調や大阪・関西万博効果で増収を確保したが、販売手数料の増加や委託費用の値上げなどコスト増が利益を圧迫した。各店別売上高は、大丸梅田店が同4.3%増、松坂屋名古屋店が同4.1%増、大丸神戸店が同3.4%増だった一方、大丸京都店が同6.5%減、大丸心斎橋店が同1.3%減、大丸札幌店が同0.8%減、大丸東京店が同0.2%減と振るわなかった。免税売上高は、12月以降の中国人訪日客減少が響き同15.3%減の1105億円だった。
SC事業の総額売上高は同6.6%増の3547億円、営業利益は同6.4%増の136億円。中核であるパルコの既存店テナント取扱高が前期比7.9%増と好調で、中でも渋谷パルコは25年3月から秋にかけての大型リニューアルが奏功し、下期(25年9月〜26年2月)の売上高が同27.7%増と飛躍した。名古屋パルコも同13.7%増、仙台パルコは同13.2%増と好調だった。
27年2月期通期の連結業績予想は、総額売上高が前期比4.4%増の1兆3470億円、営業利益が同4.1%減の470億円、親会社の所有者に帰属する当期利益が同2.5%増の290億円。百貨店事業は大丸梅田店の大型改装(事業利益で50億円の減益要因)や大阪・関西万博の反動減を見込む一方、心斎橋パルコ・池袋パルコの改装効果やインバウンド取扱高の伸長を織り込むSC事業(前期比3.5%増の145億円)と、統合新会社「J.フロントプライムスペース」として本格始動するデベロッパー事業(同47.6%増の109億円)の押し上げ効果を期待する。