ケリング(KERING)の2026年1〜3月期(第1四半期)決算は、売上高が前年同期比6.4%減の35億6800万ユーロ(約6636億円)だった。なお、現地通貨および既存店ベースでは横ばいに。市場はこれを好感し、同社の株価は14日、前日比2.9%高の280ユーロ(約5万2080円)を付けた。
地域別での売上高は、北米が同9%増だったものの、西欧は同7%減、日本を除くアジア太平洋地域は同4%減、日本は3%減だった。
「グッチ」は引き続き不調だが回復基調
部門別の売上高は、「グッチ(GUCCI)」「サンローラン(SAINT LAURENT)」「ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」などを擁する主力のファッション&レザーグッズ部門が同8.9%減の28億5200万ユーロ(約5304億円)だった。
苦戦が続くスターブランドの「グッチ」は同14.3%減の13億4700万ユーロ(約2505億円)と市場予想を下回ったものの、25年7〜9月期(第3四半期)の同18.2%減、10〜12月期(第4四半期)の同15.7%減と比べると徐々にではあるが回復基調にあるといえる。
同ブランドの売り上げを地域別に見ると、北米は現地通貨および既存店ベースで同8%増だったが、西欧は同12%減、日本を除くアジア太平洋地域は同14%減、日本は同24%減と2ケタ減収。同社はアジアでの不調について、巨大市場である中国の景気回復の遅れに加え、過剰供給による希少性の毀損や、現地におけるカルチャー面での“つながり不足”を主な要因として挙げている。
ジュエリー部門は14%増収と好調
ケリングは3月、ジュエリー事業の成長を促進するため、新組織のケリング・ジュエリー(KERING JEWELRY)を設立。これを機に組織を改編しており、今回からファッション&レザーグッズ、ケリング・ジュエリー、ケリング アイウエア、コーポレート&その他の4部門で決算を発表している。
ファッション&レザーグッズ部門には、前述の3ブランドに加えて、これまでその他のメゾン部門に属していた「バレンシアガ(BALENCIAGA)」「マックイーン(MCQUEEN)」「ブリオーニ(BRIONI)」を統合。これに伴い、個別での業績発表は「グッチ」のみとなったが、アルメル・プールー(Armelle Poulou)=ケリング最高財務責任者によれば、「ボッテガ・ヴェネタ」は好調で、「サンローラン」と「バレンシアガ」も堅調だったという。
これまでその他のメゾン部門に属していた「ブシュロン(BOUCHERON)」「ポメラート(POMELLATO)」「ドド(DODO)」「キーリン(QUEELIN)」のほか宝飾品メーカーなどを擁するケリング・ジュエリーの売上高は、同14.0%増の2億6900万ユーロ(約500億円)と好調。ケリング アイウエアは同2.7%増の4億8900万ユーロ(約909億円)、テーブルウエアブランドの「ジノリ1735(GINORI 1735)」などを擁するコーポレート&その他部門は同9.1%減の3000万ユーロ(約55億円)だった。
中東情勢の影響は?
25年9月に就任し、ケリングの事業再建に取り組むルカ・デメオ(Luca de Meo)最高経営責任者(CEO)は、「26年第1四半期は売り上げが安定し、業績回復に向けて重要な一歩を記すことができた。地政学上の難局が続く中、再建のため講じてきたさまざまな施策の具体的な成果が出始めていることをうれしく思う。ほぼ全てのメゾンが成長を見せ、中でもジュエリーが業績に大きく貢献した。また、『グッチ』(の再建)については引き続き最優先事項として取り組んでいく」と語った。
同社はまた、中東情勢の影響についても言及。中東はグループ全体の売上高(小売り)の5%程度を占めており、第1四半期は11%減収だったが、同地域に構える店舗(79店)は4月14日時点で全て営業しているという。
4月16日に今後の戦略を発表
なお、同社は4月16日に開催するキャピタル・マーケット・デー(投資家やアナリストに向けて長期戦略や財務目標、成長計画などを説明するイベント)で、今後の戦略的なロードマップを発表する予定。