
数多のトレンド予測の中には、正直あまりピンと来ないものもあります。パントン社のカラー・オブ・ザ・イヤーは、私にとっては「はて?」が多いものです。ちなみに2026年のトレンドカラーは、白の一種である「クラウドダンサー」で、1999年に新世紀を記念してカラー・オブ・ザ・イヤーを導入した以来初めての白色だそうです。
同社は、「クラウドダンサーは、インスピレーションを現実に変えるための白紙のように、創造のための空間を視覚的に表現しています。周囲の雑音を一掃した後に感じる内なる平和を示唆し、私たちに可能性と未来の両方を受け入れる力を与えてくれます。色として選ばれた理由は、その落ち着いた存在感、内省を促す力、そしてデザイン全体への汎用性です。世界中のどこにいても、私たちは皆、インスピレーションと驚きを求めて雲を見上げます。見上げるというシンプルな行為を通して、私たちは雲の漂う軽やかさによってつながっています。この普遍性こそが、クラウドダンサーをパントン・カラー・オブ・ザ・イヤーに選んだ大きな理由です」としています。
言わんとしていることはわからなくもない、特に終盤は私も共感した、ショー会場に惑星を散りばめた「シャネル(CHANEL)」のマチュー・ブレイジー(Matthieu Blazy)の意見に通じる考えに聴こえますが、正直クラウドダンサーは、例年よりも売れるかもしれないけれど、流行るとまでは言えない色だと思います。特に我が国のファッションにおいて白は、メチャクチャ売れる色ではありません。例えばTシャツを除き、下着に白を選ぶ人は少数派です。汚れを気にして、白い洋服を選ぶ人はむしろ減少傾向にあるとも聞きます。白が人気なのは、車や家電くらいでしょうか?
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