PROFILE: 小山逸生/「アマノジャク」ディレクター・バイヤー

アマノジャク
山手線の内側から少し外れた、下町の気配が色濃く残る東京・北千住。表参道や原宿といったファッションストリートでは決してないこの土地で静かに旗を掲げた「アマノジャク(AMANOJAK.)」は、いまや都内を越え全国から注目されるセレクトショップとなった。ディレクター・バイヤーの小山逸生が貫く「唯一無二を届ける」という信条は、“天邪鬼”というより、今の時代に失われつつあるセレクトショップの本懐にも映る。(この記事は「WWDJAPAN」2025年9月8日号からの抜粋で、無料会員登録で最後まで読めます。会員でない方は下の「0円」のボタンを押してください)
「売れるモノ」だけを集めても
目利きの存在意義がない
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「なんで北千住なの?って最初はみんなに言われましたよ」。小山はそういって笑う。ハイファッションは青山や銀座で買うのが、今も昔も“当たり前”。立地ゆえ取引に難色を示すブランドも少なくなかったが、小山には北千住がフロンティアに映っていた。「都心から距離を置けば他店とのカニバリがない。都心の“メジャー”をなぞるのではなく、僕らが良いと思うものを妥協なくそろえられる」。その熱で交渉を重ね、国内外のデザイナーズとの取引を広げていった。
2020年に千駄木へ2号店、24年には北千住本店を移転・増床。取り扱いは「リック・オウエンス(RICK OWENS)」「メゾン マルジェラ(MAISON MARGIELA)」といった最先端モードから、「ジギー チェン(ZIGGY CHEN)」「メゾン ミハラヤスヒロ(MAISON MIHARA YASUHIRO)」など気鋭のアルチザン、国内デザイナーズまで。“不利”と見られた立地は、いまや“わざわざ通う”デスティネーションへ転じ、年商は約3億5000万円を超えた。
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