
「ロンシャン(LONGCHAMP)」はこのほど、英アウターウエアブランド「グローバーオール(GLOVERALL)」とのコラボレーションアイテムを発売した。ラインアップは、両ブランドの定番デザインを再解釈したダッフルコート(19万2500円)とトートバッグ(11万1100円)。日本では、公式オンラインストア、表参道と銀座の旗艦店を皮切りに全国の店舗で取り扱う。
コラボレーションのきっかけは、1993年に誕生した「ロンシャン」のアイコンバッグの一つ“ル ロゾ“。そのデザインを象徴する“バンブー“トグルの着想源がダッフルコートのボタンであることから、ともに1950年前後に創業し、職人の美学を大切にしてきたフランスと英国の老舗同士がタッグを組むことになった。そして制作過程でロンドンを訪れる中、「パリからロンドンへ(FROM PARIS TO LONDON)」という2025-26年秋冬コレクションのテーマが生まれ、現代のパリジェンヌたちが暮らす街から“英国で一番美しい村“と称されるコッツウォルズ、そしてロンドンを巡る旅のストーリーにつながったという。
ダッフルコートはかつて英国海軍のユニホームとして用いられ、現代では英国スタイルを代表するタイムレスなアウターの一つとして定着した。ロンドンを拠点にする「グローバーオール」の職人の手で作られたコラボコートは、通常よりもゆったりしたカットや高めのスタンドカラー、大きなフード、そして前面にメープルウッド製の“バンブー“トグルを配したデザインが特徴。裏地に落ち着いた配色のボーダーを用いることで、遊び心を加えている。また、トートバッグはボディーにダッフルコートと同じ素材を使用し、「ロンシャン」がフランスで製作。上部に “バンブー“トグルをあしらい、カウハイドレザー製のハンドルやファスナー付きの内ポケットで日常使いしやすいアイテムに仕上げている。
今回のコラボレーションについて、ソフィ・ドゥラフォンテーヌ(Sophie Delafontaine)「ロンシャン」クリエイティブ・ディレクターは「両メゾンのサヴォアフェールと美しいものへの愛を融合させたい一心で、トリコロールとユニオンジャックの国旗をあしらったラベルにいたるまで、細部まで綿密に打ち合わせを重ねた」とコメント。「『ロンシャン』は色使いでも知られるブランドなので、ダッフルコートの定番であるネイビーだけでなく、鮮やかすぎず英国のカントリーサイドを想起させるようなナツメグも加えた」と話す。
旅の終着地点ロンドンでイベント開催
ローンチに際し、「ロンシャン」は9月4日、ダッフルコートが生まれた英国のロンドンで・リージェントストリートにある旗艦店でパーティーを開いた。ブランドのシグネチャーカラーである鮮やかな緑の電話ボックスやギターなどロンドンらしいセットで飾られた店内には、アレクサ・チャン(Alexa Chung)やシエナ・ミラー(Sienna Miller)といった英国在住のセレブリティーに加え、世界中から渡英しコッツウォルズへの旅を終えた「ロンシャン」ガールズが集結。日本からはミチ、植野有砂、藤井夏恋が来場した。
中盤にシンガソングライターのミーカ(MIKA)がステージに上がり、「グレース・ケリー(Grace Kelly)」や「ロリポップ(lollipop)」などの人気曲を披露すると、満員の店内はさらにヒートアップ。元スパイスガールズ(Spice Girls)のメラニーC(Melanie C)も、DJプレイで会場を盛り上げた。
そして、旗艦店のすぐ近くにある老舗百貨店のリバティー(LIBERTY)では、9月30日まで没入型のポップアップイベントも開催中だ。作業テーブルや工具、ロール状に巻かれた素材、部品などで工房を再現した空間に、コラボアイテムや最新作がそろう。また、吹き抜けに飾られた460個の“バンブー“トグルを用いた高さ8メートルのインスタレーションは、インパクト満点。壁面に並べられた「ロンシャン」と「グローバーオール」のマイルストーンを示すパネルからは、それぞれのモノ作りへのこだわりと発展の歴史を知ることができる。