ファッション
連載 エディターズレター:FROM OUR INDUSTRY 第64回

「ゴール」を目指すな、「ゴール以上」を目指せ

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※この記事は2023年10月23日に配信した、メールマガジン「エディターズレター(Editors' Letter)」のバックナンバーです。最新のレターを受け取るにはこちらから

常々思うのですが、昨今苦戦しているブランドの特にメンズバッグは、どうしてあんなにイマイチなのでしょうか?

いきなり厳しいモノ言いをしてしまいました。ごめんなさい。でも、本音です。苦戦傾向にあるバッグ、もしくはシューズからスタートして近年はバッグにも注力、さらにはトップブランドのセカンドライン的なブランドのメンズバッグは、いずれも「もう一声(いや、本音を言えば二声か三声)」だなぁと思っています。

一言で言えば、“ちょっと堅苦しい”んです。例えばブリーフケースはレザーが硬そうなせいもあり「側面がぶつかったら痛そうね」って思っちゃうし、トートバッグにも柔らかさがないし、クロスボディーのミニバッグはカクカクの縦長気味で垢抜けません。バックパックは如実に差が出る商材で、こうしたブランドのそれは、大体底面が四角形でやっぱり角張った印象を受けます。総じて“ちょっと堅苦しい”んです。

どうして、こういう違いが出るのでしょうか?原因は、デザインでしょうか?それとも素材でしょうか?おそらく、答えは否。もちろんデザインや素材は最終形に少なからず影響を与えるでしょうが、デザイナーは売れているブランドのデザインをリサーチして柔らかさを醸し出すよう修正するはずです。そして素材は昨今革新が続いていますから、どこも“それなり”なモノを使用しているはず。いずれも決定的な違いを生むことはないでしょう。

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